笑顔は通常装備です。
「なんかすまねぇ……。ここまで怒ると思ってなくてよ」
しばらくして放心状態から脱したのか青峰君が謝ってきた。……ちょっと怯えていたけれど。
桐皇側から“あの青峰が謝ったーー!!”とか聞こえるけど何そんなに珍しいことなの?
おいサトリ眼鏡、聞いてるなら返事してください。
「そーやなーめったにあらへんで。」
聞いてたのかよ、クソ。
「ちょっ優子?!女の子がクソとか言ったらあかんて!!」
『言ってませんけどね。ところでサトリ眼鏡先輩も苦労してるんですね見えないけど。』
「そーやでーー。わしかて部長として気苦労が絶えんわ」
思ってもねぇこと言ってんなよ。
『ざまあ』
「酷いなーー」
「……今吉さんとお前の関係って?」
なんか青峰君が再び怯え出してしまったよ。
心なしか周りの方もガクブルしている気がするよ。そんな遠慮して聞かなくても良いのに。
『あーー中学の先輩。』
「なんや青峰震えとるやないか。震えとるとこ悪いんやけど花宮と優子の口喧嘩に比べたらさっきの暴言なんて可愛いもんやで。」
“あれが……可愛い???どんな口喧嘩してんだよ”
今初めて人の心の声が聞こえた気がするの。
『先輩余計なこと言うのやめてもらえます??まこちゃん先輩だから安心して暴言吐いているんですよ??』
にっこり。
笑顔の後ろに“これ以上余計なこと言ったら殺す”って意味を込めたのだけど気付いてくれたかしら??
「お、おう。すまんかったな。んじゃあ青峰回収してくからなー」
そう言いながら言葉通り首根っこ掴んで青峰を連れて帰ってくれた。
今回ばかりは感謝しますよ今吉先輩。
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