残念美人な友人と私
放課後、部活に入っていない私は早く帰るべく荷物を片付けていた。が、厄介な奴が私の席に勢いよく走ってきた。
おいここ教室。狭いんだから走るな危険。
「おーーーい優子!!暇???暇だよね??暇でしかないよね??よし行こう!!!」
私の意見を一切聞く気のない彼女は森山梓。女バスレギュラーで男バスの同じくレギュラーの森山由孝先輩の妹である。
入部数カ月にしてレギュラーの座を勝ち取ったというのだからすごいのだろう。いや実際すごいのだ。だけど同じような奴が身近にいると実感がわかないのも事実だったりする。
『女バス??あれ?でも今日部活無いって言ってなかった?』
「違う違う、行くのは男バス。黄瀬君見に行くのよ!!!!」
彼女も兄同様美系ではあるのだけれど兄同様残念なのであった。
そんなにデルモがいいのだろうか………??
『梓―――。何回も聞くようだけどなんでデルモが良いの??あんたのお兄さんの方がかっこいいと思うけどね私。』
ちょっと残念だけど。
「え――優子の目腐ってる??お兄と黄瀬君とか比べ物にならないって!!」
あそうなの。別にどうでもいいけど。
『毎日クラスで会ってんだからわざわざ部活に行く必要性を感じないんだけど。』
バンッ!!
「わかってないな――バスケやってる黄瀬君は黄瀬君で違ったかっこよさなの!!」
机叩きながら熱弁されてもな―――正直結構どうでもいい。後それ私の机だやめろ。
『まぁバスケ見るの好きだから付き合うよ。』
見る分には好きなのだ。見る分には。
「やった!!優子だ―――いすき!!!」
『はいはい』
随分と安い大好きである。
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