私は都合のいい優しさを求めてあの後「今日来れる?」とだけ山崎さんにメールを送った。
すぐに着た返信は「しばらく行けない」の一行だけ。翌日メールボックスを確認すると「明後日には行ける」と朝方に送信されたメールが届いていた。

二通目のメールを読んで、山崎さんとはまだ終わっていないことに安堵した。
土方さんに山崎さんとは会うなと言われ私はなんと答えただろう?
一昨日、これだけのことで一日中居座られたのに自分が何を言ったかまるで覚えていないのだ。
糞みたいな気持ちのまま適当に仕事をこなしたが結局二日が限界だった。
欠勤の連絡を済ませてからもそのまま布団の中に篭もり、頭を使うことのない携帯ゲームで時間を潰した。
山崎さんから連絡が着てから起きても身支度は間に合うだろう。

いい歳して色恋に振り回されて仮病で仕事を休むなんて、やっぱり私は馬鹿だ。
仮病らしく昼過ぎまで寝ていればそのうち気分は晴れるだろう、山崎さんといつもどおり話していれば少しは考えることも出来るだろう…そう自分に言い聞かせ、つまらないゲームが誘う眠気に身を任せた。
私が馬鹿なことは私も彼等も知っているのだからどうにでもなればいい。




嘘吐き
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