開けるなキケン。むしろゴメン。



*四天宝寺all/ギャグ


年が明けて冬休みも明けてしまった頃のことである。とある放課後、四天宝寺R+αは部室に集まっていた。顔を近づけヒソヒソと会話を交わすメンバー。
中心に置かれているのは一つの箱。
ご丁寧に赤いリボンまでかけられていて、明らかにプレゼントに見える。が、何故プレゼントらしきものが部室にあるのか。それが問題であった。

「なー白石ーこれなんやー?」
「んー?なんやと思う、金ちゃん?」
「………毒か!?毒なんか白石!?」

にやり、と笑いながら質問を質問で返す白石に、金太郎はビクッと肩を跳ね上げさせ、いややあああと叫び始める。
珍しく部活に出ている千歳はパニック状態の金太郎の頭にポンと手を乗せて、ちっと落ち着くばい、と箱を指差し教えてやった。

「たぶん違うばい金ちゃん。」
「そーそー。流石の先輩でも部室に毒持ち込んだりせぇへんわ。」

財前は呆れ顔で、先輩も何を変なコト言ってんスかと気だるそうにその場にしゃがみこんだ。

「金ちゃんは白石=毒なんやねえ・・・。」
「いつも毒手で怒られとるしなあ。」

小春はコレ何やと思うー?わからへんわぁ・・・。
こちらも今日も相変わらずな調子な二人である。

「トラウマっちゅーやっちゃな。」

ふむ、と静かに頷きながら言うのは銀であった。
おもむろに金太郎の頭に手をのばし、わしゃわしゃと撫でている。

「つかさあ……暑苦しいから離れへん?」

全員、隣の人との距離は約5センチほど。室内温度約30度。

「なんでヤローだけでこんな近づかなあかんの。」

そう言うのは我らが誇る、四天宝寺中有能美少女マネージャーである。いかん、褒め過ぎた。
冬やっちゅーのになんでこんな暑いん?と、パタパタと手で仰ぎながら鬱陶しそうに嘆く。さすがに外が寒い寒いと言ってもこれは暑すぎる。
それに答えたのは金太郎と話していた千歳。

「人が親切に電気ストーブ持ってきたのに…ひどかばい。」
「加減をしれアホ千歳。」

一刀両断したデキるマネージャーであった。
あーまあ、うん、と目をそらす千歳。
白石は無言でストーブの電源を切った。

「まあまあ、ええやないの二人とも♪ はよ箱あけようやー。」

二人の間に入る小春。
部室に漂う微妙な空気を上手く変えられたようだ。

「んー、そんなん振ってみたらええんちゃうの?」

そう言っておもむろに箱を降り始めるマネージャー。

「ちょ、先輩アホちゃいますか。壊れまっせ。」
「平気やろ。」
「おお、謙也。今日一言目やなあ。」
「うるさいわ!」

そう会話している間もガコンガコン、と音を鳴らしながら箱を揺らしてはいるが、
箱の中は果たして無事なのか。
そのまえに普通にリボンを解いて開けたらいいのではないか、とレギュラー陣が思い始めたころ、白石がついに言った。

「・・・貸してみ、マネージャー。あけたるわ。」

首をかしげるマネージャー様の手から箱を奪い取る白石。おもむろに取り出したのは、

「毒手!?」
「だから金ちゃん、ちゃうから。」

・・・・・・ではなく普通のはさみ。箱をじょき、とはさみを入れる。

「え、白石はさみじゃなくて普通に箱を解体すれば「面倒やないか」えー・・・。」

謙也の冷静なツッコミも空しく、はさみによってバラされる箱。その無残な箱の有様に銀は思わず合掌したとかしなかったとか。そしてついに白石が箱を開ける。

「なんやこれ!?」
「ん?なんや?」

金太郎とみょうじは身を乗り出して(ついでに白石を突き飛ばして)中身をのぞく。 二人が見たもの。それは、

「「………太●の達人?」」

「「「「「「………はあ?」」」」」」

箱の中身はよくゲーセンなどで見かける太鼓●達人。

「いや、それあんまり伏せれてない。」
「誰も気にせんばい。」

ツッこむマネージャー。流す千歳。
さて話を戻そう。

「・・・なんでこんなもんあるんスか?」

太鼓のキャラクターが印刷されたパッケージを手にとって呟く財前に、わかったで、と白石が真顔で言う。

「オサムちゃんからのクリスマスプレゼントちゃうん?」

いや、もう年明けてるわボケ。

「・・・時期外れにも程があるわ。」

ハァ、とこれだから白石はと言わんばかりにマネージャー様は溜め息をつく。うわ、うざいわお前。と返す白石。
アンタたち仲ええよなあホント、と生温い目で見つつ、小春が誰もが思ってることを言った。

「で、どないするんのー?これー。」

静まる部室。

「そりゃあ…」
「やるに決まっとる!」
「ワイもやりたいーー!!!!」

ユウジ、謙也、金太郎が三者三様に答える。
勿論言いたいことは同じではあるが。

「…何かテレビあるし・・・つなごか?」
「せやなあ…せっかくやしな。」

当然の流れといわんばかりに我らがマネージャー様と白石は顔を見合わせ、そやそや、と準備を始めた。
何故部室にテレビにあるのか、誰もそれにツッコミをいれる者はいなかった。

その様子を見て、財前と銀は、

(というか・・・そのプレゼントが誰のものかわかってないけどいいのか。)

と心の中で思っていたとか思っていなかったとか。

* * *


「第1回●太鼓の達人選手権ーどんどんぱふぱふー。」

「いや伏せてくれへん?せめて一字でええから!」
「うっさいわ謙也!」

えー・・・と比較的常識人な謙也がまた、そう呟いてしまったのは仕方の無いことだったのだろう。
文句あるかと言わんばかりな様子なみょうじ。さすがにこれは酷い。

「はいはーい!ワイからやるでえ!」

元気よく挙手したのはやっぱり金太郎。みょうじはそかそか、やりとうか、と頷く。そして顔を上げて、微笑む。

「光、相手したれ。」
「…は?え、俺すか?」
「だめなん?」


任せたで。と肩に手を置かれて言われてしまえば、


「…………しゃーないっすわ。」


まあそうなりますよね。
財前は頭を掻きながら金太郎の元へと歩いていった。


* * *


「負けたぁぁぁ!!」
「弱いなあ。」

(というか、選曲がAK●とは…意外すぎる)

みょうじは心の中でそう思いつつ口には出さずにいた。
何故なら、周りの部員達が何もツッコんでいなかったからである。・・・えー。

「おー金ちゃん残念やったなあ」
「ドンマイー」

そして、ユウジと小春が立ち上がりテレビの前へ。

「次はワイらが行くでー!」


* * *


「すげえ、パーフェクトや!」
「小春と一緒なんやから当たり前や!」
「ユウジいつも通りキモイな!」

我らの愛すべきマネージャー様は笑顔でそう言うものだからユウジは泣いていたそうな。

「おいーそこのマネージャーさまー次俺とやるでー。」
「白石と・・・・?なぜに?」


そして、彼女は何故か白石とやることになったのだった。

* * *


ふむ、と腕を組みながら銀は楽しそうにプレイする彼女へと声をかける。

「意外と上手いんやな。」
「へっへーん♪音ゲーは得意なんやー♪」
「乙女ゲーm」
「ちゃう、音楽ゲームや。光死ね。」

頬杖をつきながら白石とマネージャーの様子を見ていた財前が呟いた言葉は幸い彼女と財前自身にしか意味がわからなかったとか。


そしてその時、部室のドアが開いた。
オサムちゃん?と皆、振り向いて見れば、そこに居たのは顧問のオサムではなく
副部長の小石川であった。

「あ、副部長。ちゃすー。」
「うんうん、画面見ながら挨拶するのはやめよか。」
「え?」

マネージャーのいつもながらのマイペースぶりに呆れたように諭していた小石川は、画面をジッと見て突然目を見開いた。

「あ、何か嫌な予感しかしないスけど。」

小声で財前が呟いた瞬間、小石川が静かに一言。


「ところでここにリボンのかかった箱なかった?」

妹への誕生日プレゼントなんだけど。




* * *



「よーお前等ぁー練習しとるかぁー・・・って何やってんやお前等。」


10分後に部室へと訪れたオサムが見たのは、

小石川へ土下座で謝り倒すレギュラー陣と一人のマネージャーの姿だったそうな。





おわり







・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

あとがき

どれが誰だか全くわからない件www関西弁駄目だwww
こんなんで大変申し訳ないのですが、二周年記念フリー小説です。こんなんで良ければ貰ってあげてください
よく私二年続いたなあ………湊都がいたからかなあ
書く学校は刹那様にアドバイス頂きました
修正、オチは湊都です←
相変わらず文才がなくて申し訳ない

二年間ありがとうございました!
皆様が支えてくださったおかげですv
これからも宜しくお願いしますv
(夕凪 紫帆)


途中までしかない状態でメールで送られてきた時はどうなるかと思いました。
夕凪さん勘弁してください。

オチを書いて修正をした湊都です。
とりあえず勝手に誰のかわからないもんを開けちゃならんよって話。
思えばそれって常識ですね(笑)
小石川の妹は完全捏造ですねすいません。
持ち帰り自由なのでそのまま自分で書きましたーとか主張しないかぎりお好きに持ち帰ってくださって結構です。
この度は二周年を皆さんのおかげで迎えられることができて嬉しいです。
どうぞこれからも宜しくお願いします。
(伍葵 湊都)






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