2. 水瀬 玲士
「玲士様、夕食に媚薬仕込んだの気付きましたかねぇ?」
「気付いてないだろー、それより効いたかなぁ?」
ーーー話は人攫いと了の間で、半日前に遡る
「これは面白い…!この私が言い値で買ったんですから」
了は満足気な笑みを浮かべながら
人攫いへと札束を差し出す
事情を知らない執事も流れのままに
了の悪企みに参加せざるを得ない
いつも妖美な女性を集めてちょいと”嗜む会”を開いても
あの若造、玲士様とやらはちっとも興味を示さない
実質私があれこれと取り仕切る主催者となっている
このままでは跡継ぎがいないまま水瀬家は絶えてしまう
それだけは阻止して欲しいと遺言を残して
この世から去ってしまわれて早2年の前当主様
玲士という男は5歳である施設から引き取った
養子で、水瀬家とは全く血の繋がりもない
ただ幼くして驚異的な知能の高さが一躍広まり
跡継ぎ欲しさに水瀬家が競り落とした、といった感じだ
「玲士様、そろそろ今日はもう休まれますか?」
「了…あの少女はどこから連れてきたんだ?」
「後ほどお話し致しますので
今日はもうお休みになって下さいませ
早く御子を授からないとマズいですからね…」
了は最後に小さな声でわざと本音を漏らし
跪いて下がった
玲士は玲奈と会話がなかった小一時間
隣の繋がった部屋で書物を嗜んでいた
勤勉な玲士は諸外国からも多種多様な本を揃えては
20歳にして10ヶ国語をマスターしていた
『それはどこかの国の本?あなたって何してる人?
まさか駄々広いこの屋敷の家主?あっ名前は?』
どこからともなく急に玲奈の声がした
振り返ると自分に興味深々で質問責めに合う
黒真珠のような瞳でこちらを見据えるまだ幼い少女
いやまだ幼い少女なのかもう大人になってしまったのか
初潮はきたのか…15の歳でまだ処女ではあるよな…
そんなふしだらな考えが頭を過ぎる中
ひとまず3つ目までの質問には淡々と答えた
名前は…やはり自分の口からは出てこない
「ふぅーん、じゃあ私とか住む世界が違う人なんだ
さっきのあの金髪のユルユルパーマって執事?」
玲士はコクリと頷いた、了は自分より5つ年上だが
自分の方が高いIQや国際認証の博士号など
より知能が高いという証明を残している
「ああ…了の仕業か…しまった、なんて事を」
部屋へ再び玲奈を連れ帰った後
玲士は一人項垂れていた
扉に向かってズカズカと歩き、部屋の外にいるであろう
了に向かって叫ぼうとも思ったが
男に襲われかけて弱っている玲奈を放っておけない
ーそして、欲情が昂ぶるままに行為へと及んだー
『ま…待て!私、まだそういうのした事なくてっ…!』
玲士が馬乗りになり玲奈を組み敷く
拘束されたまま男に胸を弄ばれるのは
玲奈にとってなんともいえない屈辱だった
右乳首を指で摘まれ、くりっと捻られる
初めての快感に、玲奈は体をビクッと痙攣させた
『いゃ…ぅあっ!』
未発達で色素の薄い、小ぶりながらも形の良い胸に
玲士はドキドキして凝視しながら
玲奈を見上げるように胸の先端を舌で転がす
玲奈は甘い声を漏らしながら
ベッドの上で細く白い2本の脚をクネらせている
最初は強気に玲士を睨む玲奈だったが
もはやぐったりとしてベッドに横たわっている
艶めく黒髪の間から小さな耳たぶを真っ赤に染めて
ハァハァと小さな肩が上下しながら
触れる玲士の手に舌に、カラダは
無意識のうちに一喜一憂して震えている
『ハァ…ハァ…ハァ…ッ…!!』
「ご…めん…っ!」
気が付くと玲奈の頬は
自分以外の涙で濡れていた
この人は一体何が悲しくて涙を流すのだろうか?
そんなふとした疑問から引き戻されるかのように
胸から脇、腹部から太腿そして股間
余すところなく玲士の舌が
玲奈の陶器のような肌を這いずり回り
ついに誰にも晒したことのない秘部まで達した
『あ…ぁあぁ…っ!』
舌先を器用に動かしながら
玲奈の愛液をすくい上げた
あまりの羞恥に玲奈は首を振って悶えるも
下唇を噛んで声を抑えている
ずるっ…ジュルジュル…
それを分かっているのか、玲士は意地悪に
音を立ててそこを吸い上げた
舌でゆっくりと形をなぞりながら
玲士は秘所の味を堪能している
もはや嫌悪感よりも快楽に支配され始めている玲奈
『だめ…っ…そこ、そんな音、立てたら…っ!』
必死に懇願する玲奈を無視して
更に勢いよく音を立てて吸い上げまくる
それでも後から後から愛液が溢れ出るのは
感じている証拠だと玲士は笑みを浮かべた
玲奈は何度もビクビクと達して
刺激的な快感を生まれて初めて味わった
そして玲士はギンギンに勃起している自身を
ヒクつかせる秘部へとあてがった
玲奈は抵抗しようと足を捩らせるが
絶頂の涙に呑まれ、割れ目を肉棒で往復されて
また愛液を溢れ出してしまう
玲士はそれを潤滑油代わりに亀頭を入れようとするが
「随分キツいね…やっぱりまだ処女だったんだ…っ!」
そう言いながら嬉しそうに、ゆっくりとであるが
確実に自身のペニスを挿入していく玲士
初物の狭い肉壁を跳ねのけて
自らをぐいぐいと押し込んだ
玲奈にとっては永遠にも思えた
長い数分の後、全てがナカにおさまった
あまりの質量に体を仰け反らせ天を仰ぐ
「動くよ…」
『ふぅぅ、ふぁあぁっ!』
耳元で玲奈に囁いた後、玲士は
ゆるゆると腰を動かし始める
次第に玲奈の弱いところを探り当てられて
胎内を激しく突き立てられると
玲奈の強張る力もだいぶ解れて
玲士の形に馴染んできていた
「…っ!玲奈っっ!!」
『ふあっんっ…あぁっっっ…んっ!!』
更にピストンの速さ激しさが増していく
ペニス自体も血管が収縮するほど膨張して
玲奈の再奥まで押し当てられる
まだ未熟な子宮口と亀頭が1回2回と繋がって
ビクビクと震えながら互いに弾けた
達する寸前になんとか引き抜いたものの
入り口付近には白濁がこびり付いている
頭の片隅で、名乗ってもいない
名前を呼ばれた気がした玲奈
玲士は玲奈を一人の女として、認めてしまった
理性も後ろめたい背徳心も
どこかへ捨ててしまった瞬間だったーーー
翌日
了が玲士の自室へノックと同時に入ってくるなり
昨日のアルコールのせいか、行為に更けすぎたのか
玲士は酷い頭痛を堪えながら問いかけた
「……説明しろ」
すると他の執事や奥様、大奥様までが
一斉にぞろぞろと出てきた
玲士が若い玲奈という娘を気に入ったのなら
今の妻で不妊の身であることが判明した英里紗の
代理出産を任せようと勝手に話がついていた
「いいですか?水瀬家の血は
絶対に絶やしてはいけないのです」
「大それた事を…また”どこぞ”のルートから
賢い子供を大金で入手すればいいだけの話でしょう?」
身内に皮肉を返す玲士
近寄る女は自らの欲の為に
必要以上にゴテゴテと着飾った女ばかりだ
政略結婚で妻となった英里紗にも悪いが
何の感情も関心も湧かない
こんな運命でなければ、もっと自由に
恋というものをしていたのかもしれない…
今朝、目を覚ますと玲奈の姿はなかった
屋敷中を探しても見つかず、玲奈は
夜明けの間にひっそりと隙を見て出て行った
「せっかく玲士がその気になったのに
何故みすみす取り逃がしたのです?」
「ええ、何としても見つけ出します
この執事、阿久津 了…必ず探し出して見せます!
たとえどんな手を使っても…!」
一方玲奈は辺り一面の森を抜けて
街を目指して一人で歩いていた
昨日の晩、眠りにつく前に玲士に手渡されたのは
銀色に輝く指輪…これが報酬のつもりだろうか?
途中で記憶にはないショートカットで黒髪の
まだ8歳位の随分と幼い少女に出会い
玲奈はこう告げられた
「まだ……思い出せないんだね」
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