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「何?お前電通の男と付き合ってたの?」

「あれ?言ってなかったっけ?」

「そう言われてみれば…聞いたような…」

「アンタあたしの話まめに聞いてくれてるわりにいつも曖昧だよね。バカですか?」

「バカとか言うな。新しい男できんの早すぎてついてけないんだよ」





何その言い方!!
そんなに早く出来てるわけじゃないんですけど!!!


………多分…。






「で?その電通になんで振られたんだよ」

「そう!!あのね―、」

「また“重い”って言われたんだろ」

「なんで分かんの!!!?」

「電通って遊び人多くて有名だから、奈央みたくすぐ結婚の話に持って行く女はウザがられると思って」




さすが真…
伊達に高校の時からの付き合いじゃないわ。


当たってる…。




ってか、





「なんで?付き合うってことはその相手と結婚するってことじゃないの?」

「付き合って1ヵ月でそんな話されたらフツーは引くだろ」

「そこ!!そこ意味分かんない!!!なんで男は付き合うのと結婚を別で考えるの!!?」

「だから、フツーは1ヵ月やそこらで結婚は意識しねぇよ。結婚に焦ってるヤツ以外は」






ダメだわコイツ…

コイツと私とじゃ恋愛の価値観が違いすぎる。




確かに定職にもつかずバーでバイトして自由に生きてる23才だし


結婚の“け”の字もコイツは考えちゃいないだろう。




そう言えば「俺の彼女」って紹介された子って…


高校以来いないわ。



真、彼女作んないよね…何でだろ…。








「ちなみにそいつの年齢いくつ?」

「……25…」

「25!!?それで結婚の話はナイだろ」

「なんでよ!!25才って言ったら適齢期じゃない!!!」

「女にとっちゃそうかもしんないけど男にとっちゃ遊びたい年齢なんだよ」





ヒドイ!!最悪!!!






「奈央には30代後半くらいで結婚に焦ってる男がお似合いってこった」

「なっ!!!」





なによそれ!!!と、言おうとしたところ「すみませーん」と女性客に呼ばれて真はカウンターを離れてしまった。




3人の女性客と楽しそうに話しながら注文を聞いている。







真とは高校時代に出会った。



出会いは単純なモノ。





女子高だった私は友達数人と合コンやら逆ナンやらナンパ待ちをしょっちゅうしていた。




真はこんなところでバイトをしているけれど実は有名進学校出身。



その学校とどうしても合コンがしたかった私達は校門前でイケメンをはっていた。




そこに現われたのが真。



真は正直言ってカッコイイ。


顔も小さいし背もあるし、結構体格も良かったりする。





そして、






『すみませーん、ちょっといいですか?』

『…なに?』

『これからそこにいる皆さんもご一緒にカラオケ行きません?』






私が声かけた。


そして友達に意見を聞いた真は『うたひろ近くにあるよ』と言った。





それが私達の出会い。



まぁ、逆ナンだよ私の。




それ以来私達は何でも話せる仲になった。




それは多分、真の友達が私を好きになってちょっとの間付き合ったから。



その彼氏の相談や愚痴は全部真にしていた。

ケンカの仲裁に入るのも真だった。





そいつとは半年くらいで別れて音信不通になってしまったけど真だけは繋いでおきたかった。



真みたく何でも話せて何でも聞いてくれる男は他にいなかったから。





私にとって真は癒し。



大切なヤツ。






こんなに話も合って一緒にいて安らげるのに恋愛対象にならないのは



コイツが私に興味がないから



…だと、思う。





私は基本、愛されたい。



告白するよりされたい。



よって、脈のない男は私にとって恋愛対象外





……だから…なのかな…?



だから私は真のこと好きにならないんだ…と思う。




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