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6限目が終わり、担任クラスを持っていない私は教室を出て職員室へと向かう。



その廊下で






「国語の仲村って地味だよな」



そう話す男子生徒の声が聞こえた。







「ぜってぇ処女。男いないぜアレ」

「っぽいわー」

「男いたらマジウケるし。25だっけ?30過ぎに見えね?」






ぎゃははは、と響く笑い声。




……ハンッ、

何とでも言いなさいよクソガキが。





私はねぇ、別にアンタ達高校生にどう思われようが関係ないの。




むしろ平和に淡々と過ごしたいのよ。





だからワザと目立たないようにしてんのよ!!


化粧もしてるんだかしてないんだかの薄さにして



髪もフツーに一つに束ねて


伊達メガネまでかけて



服装もYシャツに膝丈のタイトスカートってゆう、いつの時代だ!!っていう格好して





『仲村先生ってば少し派手すぎません?』



そうオツボネ教師に言われたくないから


だからこそ地味に私は生きる。








「仲村先生、今日飲みに行きません?」



職員室で帰る仕度をしている私にそう声をかけてきたのは英語担当の川村先生。



ナチュラルメイクに清楚な服装。
可愛い顔に小柄なスタイル。
ブリッコが似合う典型的なタイプ。




同僚の教師はもちろん生徒にまで本気で川村先生を好きだという男がいるってくらい



この人は可愛い。





…あたしの嫌いなタイプ。






「ごめんなさい。今日ちょっと用事があって」

「えー、そうなんですかぁ?せっかくの金曜日なのに…残念です」

「また今度誘ってください」

「そんなこと言って一度もOKしてくれないじゃないですかー」

「…ちょっと忙しくて…」





歳が同じせいか何でか懐かれてんのよね。

いっつも断ってんのに。



…めんどくさ…。









私は鞄を手に取り「お先に」と、言いながら職員室を後にした。





学校を出てしばらく歩く。




学校の最寄り駅から東京方面の電車に乗る。




そして




とある駅のコインロッカーへ行き



鞄の中に忍ばせていた鍵を取り出した。





カチャ、と



ロッカーを開け、私は中の荷物を取り出しトイレへ向かった。





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