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- 土曜日、手帳を眺める私 2/3
「昨日、どうだったの?」
確信をつかれて、一瞬心臓がどくんと跳ねた。
そう、昨日、恥ずかしい、と言っては失礼か。
優しいご挨拶をされた後、二人喫茶店で軽く自己紹介と打ち合わせをした。
人見知りもあるし、彼の色気に眩暈がして若干膝が震えていたけど、まさか初対面で「貴方が美しすぎて緊張します」なんて言える訳でもなく、ただ如月さんの誘導されるままカフェで注文し、向かい合って席についた。
「これから、色々忙しくなると思うけど、頑張ろうね」
爽やかな笑顔に眩しくて目を細めてしまう。
「はい、よろしくお願いします」
「あ、敬語」
「あ、よ、よろしく」
「…もしかして緊張してる?俺、話しにくい感じする?」
「(かなり…)いえ、全然、すみません、人見知り激しくて」
「ううん、ならいいんだけど、折角こんな機会をもらったんだし、ちゃんと仲良く頑張りたいな、なんて思うのは俺だけかな?」
少し首を傾げてあたしを見つめる彼の目線に思わず胸がときめいてしまう。
ちょっと待て、自分。
顔がいいからってドキドキするな、自分。
それだけで好きになっちゃう…なんて10代の特権じゃない。
胸が苦しくなるなんて、本当勘弁してー!!
もう自分が分からなくなってきてる。むしろ混乱してる。
何でこんな悩むんだろう、初めて会った相手に、しかも、ただ単にお互い新郎新婦側の幹事に選ばれた、まさしく偶然が偶然を呼んだ出会いだというのに。
そう、落ち着いて。
落ち着けば大丈夫。これは特別な出会いでもない。
作られた出会いだ。偶然の出会いだ。
恋の始まりなんてもんじゃない。あたしには使命があるじゃないか!
友人の結婚式を祝福しようという純粋な気持ちが!
それを一番にしなきゃだめ!だって、それが本来の目的なんだから!
ドキドキするのも…そう、久しぶりに男の人とまともに話すからだよ。
きっとそう、仕事仕事でプライベートなんてあってないようなものだったし
男の人と話すなんて同期や上司に取引先の人ばっかりで仕事の話だけ。
だから緊張なんてするのよ。
仕事、そう仕事と思えばいいの。
両手で軽く両頬を叩き、意識を変えさせる。
よし、大丈夫、段々落ち着いてきた。
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