text
- 通勤電車
満員電車に揺られながらの毎日。
24才普通のOL
起床は５時３０分
朝食は食パンとコーヒーで済ませ
朝シャンして化粧して
ただただ会社と家の往復。
仕事もこれといって楽しいわけでもなく、素敵な上司や同僚がいるわけでもなく、
あと１つ歳をとれば四捨五入で三十路に足を突っ込むというのに
彼氏がいるわけでもなく
合コンに行ってもただの飲み会にしかならないこの性格。
はぁ…
私の人生っていったい……。
そんなことを考えながらいつものホームで電車を待っていた。
それにしても、いつも同じ顔しか見ないよね…。
ちょっと時間変えたりすればカッコイイ人と会えたりするかなぁ。
でもこれ以上早く起きるのはしんどいし、時間遅らせるとギリギリになっちゃうし
この電車以外ないんだもんなぁ…。
そういえば昔はよく妄想した。
毎朝同じ車両になる人に
「いつも電車で一緒になりますよね？実はちょっと気になってたんです」
なーんて言われちゃったりー？
………って、何年電車通勤したってナイからそんなこと。
あったとしてもこの車両じゃムッサイおっさんしかいないし。
通勤から始まる恋もナイってこと…。
社内恋愛もナイ、
合コンもナイ、
出会いもナイ、
このまま彼氏イナイ歴がどんどん進行していく…。
「はぁ…」
俯きながら重い溜息をついた瞬間
「いつも電車で一緒になりますよね？」
と、声が聞こえた。
[＊prev] [next＃]