M@iN様から頂き物4 | ナノ

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 ぼくらはずっと友達さ!
なんで俺が東京にいるのかというと、理由は簡単である。
あの暴虐王・工藤新一が朝早く、「今日朝一番の新幹線乗って東京に来い」という無茶な命令を言い渡したからだ。
あの名探偵はどこのメロスにでてくるんだろうか。
高校生の金銭感覚なめとるんだろうが、あいにく彼も高校生だ。
ただ少し、金持ち過ぎる、という点が他人とは違うのだろうが。



「おっせーよ」

さすがメロス悪役、開口一番それですか。
隣には、黒羽と白馬の江古田コンビ。
二人とも学ランを着ているところを見ると、多分学校へ行こうとしたときに工藤に拉致られたんだろう。

「遠出しようぜ!!」










そう言って工藤が向かった先は、ただの駅だった。
行き先は?と聞くと、自信満々に「決めてない!」と答える。流石の黒羽と白馬も呆然だ。

(ま、俺は慣れとるけどな)

とりあえず一日乗車券買おうぜ!と、笑う工藤は、当たり前のように大人用を三枚買った。
白馬も黒羽も四枚買うんだと思っていたようで、きょとんとしている。
まぁ俺は言われなくとも分かってるけどな。
俺とー、快斗とー、白馬なー、と笑った後、工藤は俺を見てこう言った。
ほら来た。いつものこの言葉。

「服部は実費で」

殴ったろうか、このボンボン。
ギリギリの金を使い果たし、帰りの新幹線どうしようかと考えていると、帰りは出してやるよ、と工藤は言った。
じゃあいまの分の金を出せ、とは、口が裂けても言えなかった。





「やっぱ大人の姿はいいなぁ!」

工藤は、しみじみ、といった様子で言った。
その姿こそ子供のようだったが、工藤なりに戻れて嬉しいのだと思い、一応閉口する。

「工藤くん、楽しいですか?」

「新一、前にみんなでどっか出掛けてぇって言ってたもんな!」

笑う二人の子ども扱いに、いつもは不機嫌になる工藤もテンションが高いままだ。
きっと、ずっとこの景色を楽しみにしていたのだろう。
いつも俺たちより下の景色を見ていた工藤。
みんなに目線を合わせられるたび、どれだけ大きくなりたいと思ったのだろう。
いつも大胆不敵な彼だが、そう思うと少し可愛く見えた。

「工藤、」

「んー?なんだよ服部ぃ」

黒羽に睨まれるのも気にせず、俺は工藤を抱きしめた。
工藤はしばらくうーうーと唸っていたが、俺が頭を撫でると、少し落ち着いたように笑った。

「はっとりー」

「なんやの、」

「マジで、サンキューな」

あの時と同じ言葉。前に聞いたそれとはちょっと違って、少し低くて、それでも、あの時と変わらない優しさ。
でも、込められた意味は全然違って、今度は暖かさを含んでいる。
死にに行く工藤じゃない。終わったことに、みんなが待っててくれたことに安心している工藤だ。

「白馬も、快斗も、本当にありがとう」

「それは終わるときに言ってくださいね」

「そうそう、俺たち、きっと死ぬまで一緒だからさ」

そうやって笑った親友たちは、閑静な電車の中で、ひっそりと笑いあった。
言うべき言葉は、ありがとうじゃないんだと。

――――――――――これからもずっと、よろしくな。



―――平次編 完

M@iN様から相互リンク記念に頂いた素敵小説です////快新前提の3/4組という紗希ホイホイなリクエストだったにも関わらず、こんなに素敵な小説を(しかもそれぞれの視点で)書いてくださいました…!!!!/////

3/4組ってだけで口元のニヤケが収まらないのに、紗希好みの可哀想な(しかもヘタレに見せかけて実は裏で企んでいる)快斗が可愛くて可愛くて////学校でこっそり読んでたんですけど(オイ)思わず机を叩いてスマホ握りしめてつっぷしてました(ただの変な人)(隣・後ろの席の友人にかなり驚かれた)
女王様新一も無知な新一も可愛い//////恥ずかしげもなく「あーん」ってやる新一と、ナチュラルにイチャイチャしてる快新にハートを射抜かれました…////そろそろ自分死ぬんじゃないかな(真顔)

だらだら語ってましたが何が言いたいかというと、仲良し3/4組(しかも快新前提)って最高ですね!ってことです。

どれだけ感謝してもしきれないくらいの素敵な小説を紗希なんかが貰ってしまって良いんでしょうか!?キョドキョド(いつものこと)ですが、返せと言われても返しません^^^(何なんだ)M@iN様、本当にありがとうございました!!これからも宜しくお願いします^^*




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