ぼくらはずっと友達さ!
「なぁ、工藤っていつから黒羽と付き合うとるん?」
服部の言葉に、俺は思い切りむせ返った。
服部がなぁなぁ、と俺を急かすと、服部の隣にいた白馬が、僕も気になりますね、と笑った。
「さ、さんかげつまえ・・・?」
「疑問系かい!・・・で、どこまでいったん?」
ぶっ!そう吹いたのは、今度は俺ではなく白馬だった。
その様子に俺と服部は笑う。
白馬はこの中でも一番大人っぽいし、いろいろ経験豊富だと思っていたからだ。
服部くん!工藤くん!と怒る白馬に悪ぃ悪ぃと謝って、服部との会話に戻る。
「どこまでって・・・・・・家には泊まりに行ったぞ?二十回くらい」
「に、二十・・・ほんで?」
「で、って・・・なにもないけど」
おやすみっつってそのまま寝たぞ?と言うと、服部は、ありえへん!と声を大きくした。
意味が分からずに首をかしげていると、白馬が「無知って幸せですね・・・」と、地味に傷つけてきやがった。
なんなんだよ、と口を尖らせると、あんなぁ!と、服部が力を入れて説明をし出した。
「付き合うとる恋人同士が同じ部屋で寝とってなんもないことはないやろ!!」
「っつってもなぁ・・・男同士だし、やることもねぇだろ?」
まさか、“そういうこと”をするわけでもあるまいし。
そう言うと、白馬が「無知は時にかわいそうになります」とまた馬鹿にしやがった。
俺一人分かってねぇみたいだ、と、ちょっと不機嫌になる。
「しーんいちぃぃいい!おはよう今日も可愛いね結婚しよう!!」
噂をすれば影。我が犬(という名の恋人)・黒羽快斗のお出ましだ。
快斗は本物の犬よろしく、俺の首筋に擦り寄ってくる。髪の毛が少しこそばいが、問題はないので容認。
「あんな・・・はぁ、もうええわ・・・」
「逆にあそこまでしていて、何故手を出さないのでしょう・・・」
後日
「え、新一に手ェ出さない理由?
少しずつ麻痺させて一気に畳み掛けるために決まってんじゃん」
そう言った快斗に二人が震え上がったのは、言うまでもない。
―――
新一編 完