「クリスマスなんか来なくていいよ消えちゃえ、リア充爆発しちゃえ、クリスマス目前に『俺彼女出来たから』とか言って私のこと振った元カレこの世から消えろ」

「本心最後のだけだろ」

「ねぇ最悪じゃない?『好きな人出来たから』ならまだわかるよ?彼女出来たってなに?クリスマスデート約束してた私なんなの?」

「俺に聞かれてもね。その男に聞いたら」

「…1人が寂しいからって告白してもし振られても私と別れずに普通にデートしようとか考えてただろう男なんて一生連絡取らないから」

「なんだ、わかってるじゃないか。その男にとって自分はクリスマスを“彼女”と過ごすための保険だったって。」

「歯に衣着せて、幸村。これでも死ぬほど悲しいんだけど私」

「そうだろね、俺が呼び出される時はだいたいそうだ。親友と絶縁レベルの大喧嘩したとか、会社で盛大にやらかしたとか。」

「愚痴だってわかってて私の飲みの誘い毎回受けてるなんて幸村も大概暇人だね」

「暇?会社の忘年会を体調不良なんて嘘で抜けてきた俺に言う台詞?」

「ちょっと待って、それ聞いてない。振られたから飲みたいってラインしたけど『行く。場所どこ』としか返事来てない」

「うん、それしか送ってないよ」

「え、いや、断ってよ。学生時代からの付き合いって言っても幸村の善意を強要したつもりないんだけど」

「え、まさか善意だけでみょうじの愚痴呑みに付き合ってるとでも思ってるのかい?」

「え!?違うの?人当たりは超いいくせに親しくなると言葉をオブラートに包むことを忘れるけど根はいいやつだって思ってたのに…まさかからかいに来てたの?」

「別にからかってないだろ。…そんなんだから自分が“本命”から“浮気”の彼女にすり替わってても気付かないんだよ」

「だから衣!歯に!…そんなんってなに」

「男の下心に気付かないから。」

「はぁ?生憎そんなウブじゃないです鈍くもないです」

「善意だとか友情だとかで俺がここにいるなんて思ってるやつは鈍感でしかないよ」

「なによそれ。まるで幸村に下心があるみたいじゃない。やっぱりからかってるでしょ」

「…ほらね」

「なにが」

「わかってるけどね。この程度じゃ伝わらないことくらい」

「だからなにって。」

「クリスマス暇なら俺とどこか行こうって話」

「そんな話してなくない?まぁ幸村が奢ってくれるとか嬉しいけど」

「俺そんなこと言った?」

「気になってるフレンチあるんだよねぇ。今から予約とれるかな〜」

「はぁ…どこの店?掛けてみるよ」

「さっすが幸村。そういうとこスマートだよね、なんで彼女出来ないの?」

「そんなんだから自分が“本命”から“浮気”の彼女にすり替わってても気付かないんだよ」

「2回も言うな」

「俺の感情に気付くまで言ってやる」

「いじめ」

「そっくりそのまま返すよ」


友達以上恋人未満の幸村と傷心系女子の聖夜

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