「このドレスきれー…」
「ああ、まぁ良い作りだな」
「(い、良い作り?私にはわからないんだけど…)」
「欲しいのか?」
「いやこんな値段のもの…」
「そんなに高くはねぇからな」
「…こんな値段って安いって意味じゃないからね?」
「アーン?ならどういう意味だよ」
「普通に高いって意味!」
「そんなことねぇだろ。物にしては安い方だ」
「えええ、そんな事……(だめだ私にはわからん…)いやどっちにしろさ、…やっぱこれ似合わないよね」
「誰にだ?」
「私に」
「はっ、当たり前だろ」
「……。鼻で笑う?仮にも彼女の私を」
「お前にはまだ早えよ、大人っぽすぎるだろ。胸元が無駄に開くだけだぜ」
「セクハラ」
「事実だ」
「ついでに俺様が大きくしてやるとか言ったらもっとセクハラ」
「んなこと言ってねぇだろセクハラはお前の方だ!…ったく、何拗ねてんだ。既製品のドレスなんざいらねぇだろ」
ドレスくらいお前に似合うのを作らせてやるよ。
庶民彼女と跡部
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いつぞやの短編2。何着でも作ってくれると思います。跡部は彼女に甘そう。でもお世辞は絶対言わないから鼻で笑われますけど、それも悪くない。