「おはよー幸村」
「おはよう。…ねえ、何でスリッパ?」
「上履き忘れた。…人の足いやらしい目でみないでよ」
「失礼だなぁ。そんな目で見てないよ、そんな足」
「それこそ失礼なんだけど」
「ふふ。…まさか靴下も忘れたのかい?左だけ」
「そんな器用な忘れ方ある?」
「寝ぼけてたら君はやりかねない」
「私そんな風に認識されてるわけ?…違うよ、濡れたから脱いだの」
「濡れた?」
「水溜まりあったでしょ」
「ああ、門の前の」
「それに足突っ込んだの」
「あははは」
「いや笑い事じゃないんだけど!あんたんとこの2年が『遅刻遅刻!』とか言って横切ってった時に私にラケバ当たってよろけたせいなんだけど!後輩の教育なってないんじゃないの?」
「2年って…」
「あのもじゃもじゃくん!本人気付いてないわクスクス笑われてるわ上履き忘れるわ落とし忘れたペディキュアを先生に見つかって怒られるわで朝から最悪なんだけど、どう責任取ってくれるの?」
「少なくとも上履きと怒られたのは俺のせいじゃないね」
「靴下あったら怒られなかった」
「上履きあったら見つからなかっただろうね」
「…」
「はい、みょうじの負けー」
「…くそ」
「こら、女の子がそういうこと言わない」
「え、幸村、私のこと女だと思ってるの?」
「え、男なのかい」
「いやそういう意味じゃなくてね?そりゃ私的には心も体も女だよ。でも女だと思って対応してないってか、見てないでしょ幸村」
「そんなことないけど」
「嘘だーそんな足とか言われてんだけどー」
「逆に聞くけど好きな子を女の子として見ないってどういうことかな」
「…ん?」
「ほら、わからないだろ?まぁいいや、とりあえず赤也には注意しておくよ」
「え、え?ちがう、わかんないのそこじゃないんだけど」
なに今の。告白された?
厄日な少女と幸村
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いつぞやの短編。消したいくらい恥ずかしいけどなんか名残惜しいと言う矛盾の末、ネタリメイク。さらっと告白してそのまま流して相手の反応を楽しむ幸村さん、お茶目さん。される側はたまったもんじゃない。