けたたましい音でサイレンが鳴ったのは先ほどのことだった。



私たち5人はナーオス基地の通路を全力疾走していた。その間もサイレンは鳴り続いている。

私は眉を顰める。普段、かなり静かな生活を送っているためか、騒音や轟音などには免疫がなく、私にとって邪魔なものでしかなかったからだ。いや、そもそもサイレンの音が好きという人間もそういないだろうな。…いや、今はそんなこと考えている暇などなかったのだ。



サイレンが鳴る=私たちが侵入したことがバレた



サイレンが鳴り響いた後に私たち5人の頭に浮かび上がった式はこれしかなかった。
お互いの自己紹介もしっかり出来ないまま、私たちは逃げなくてはいけなくなったのだ。イコールスパーダ(デュランダル)とも微妙な空気が漂ったままだった。



「はぁ、はぁ…もう、だめ…」
「ちょ!アンジュ姉さんしっかりして!」



以前から体力の無かった姉さんがバテ始める。え、転生者って体力向上するんじゃなかったっけ…?
後ろを走るアンジュ姉さんを気に掛けながら走っていたら、急に立ち止まったスパーダにぶつかってしまう。



「う、わ!ご、ごめ「しっ、静かにしろ」


そのまま腕を引かれ、通路の横にあった小部屋へと誘導される。
誰かが私たちが今まで走っていた通路にやってきたようだ。イリアの隣で通路の様子を伺うと、レグヌム兵が二人いた。




「ガラム軍の敵襲だ!西の戦場を突破してきたらしい!!」
「総員出撃態勢を整えろ!ぐずぐずするな!」



どうやら、サイレンは私たちには関係なかったようだ。だが、ガラム兵が来たということはレグヌムにとっては不都合。私たちが侵入する前より、警備は強化されたのだろう。
いつの間にかレグヌム兵はいなくなっており、私たちは通路に戻った。






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