(スパーダが思春期すぎる)




名前は俺の彼女だ。
可愛くて優しくて柔らかくて笑顔が可愛くていい匂いがして、とにかく俺は名前にベタ惚れってワケ。

だからもっと触りたいとか、そんな欲求だってある。厭らしい?男なんだから仕方ないだろ!
だけど、彼女は色に例えると白。純白。よく言えば純粋、悪く言えば無知(そういう事に関してだけど)


前に一度、部屋で二人きりになった時にそれとなく雰囲気作ってベッドに…なーんて思ったりしてたんだけどよ、いざベッドに押し倒したら、濁りのない綺麗な瞳で俺を不思議そうに見上げるんだよ。

普通なら焦るだろ?だけどアイツは俺を見て、重いよーと笑うんだよ。その瞬間思った。汚したらいけないってな。



まあ俺が我慢さえすれば良いんだろうけどさ、あいつが可愛すぎるから無理なんだよ、ああ矛盾してるよ、自分でもわかってる!
だから俺たちの関係はキス止まり。しかもただ触れ合うだけの。充分かもしれねえけど、このまま我慢なんて、とてもじゃないけど無理だ。


だから誰かに相談してみる事にした。
つっても、お子ちゃまルカちゃまにはこの話は刺激的すぎるし、女には殴られそう。だったらオッサンしかいない。
…まあ、年長者だし経験は豊富だろう。とにかく、話を聞いてみる事にした。


「欲求不満か」
「違ぇ!くは…ないけど…」

名前が魅力的なのが悪いんだよ!そう言うとノロケは他所でしろ、と言われた。事実なんだから仕方ねえだろ。

しばらく引き下がらないでいたら、リカルドがポツリともらした。


「想い合っているのなら、何も問題はないだろう」

…そうか、と俺は妙に納得した。彼女は知らないだけだ。ゆっくりでもいいから、知ってもらおう。
結構…いや大分自分本位な考えだが、やる気スイッチがONになった俺は誰にも止められない。


幸い、今日の宿の部屋割りは一部屋一人ずつだったので、すぐに名前の部屋に押しかけた。
ベッドに腰掛けていた名前を呼ぶと、彼女はビクリと身体を震わせてこっちを見る…?

彼女の反応に少しだけ疑問を抱きながら、俺は名前の座っているベッドに同じように腰掛けた。


「ス、スパーダ…どうかしたの?」
「俺…名前のこと好きだぜ」
「え…?」
「好き、好きだ。愛してる」
「え、え…?スパーダ、いきなりどうしたの?」


俺からの突然の告白に、顔を赤くしながら驚く名前。だけど、俺はそんなのお構いなしに続けた。


「好きだから…、触れたくなるんだ」
「っ!」
「頭を撫でるとか、そんなんじゃない…もっと、もっと…感じたいんだ」
「ス、スパーダ…」
「意味が分からないかもしれない。でも安心しろよ、俺がたっぷり教えてやるからよ」


耳元でそう囁くと、名前は首をフルフルと横に振った。断られたのかと思って、少しだけショックを受けた俺の両手を握って、再び首を横に振った。


「違う、違うの…。私、意味…わかるよ。スパーダの、その…触れたい、の意味も」
「え、でも…お前この前…」
「あの時の、スパーダの行動がよく分からなくて…自分の中で引っかかってて…だから、イリアに聞いてみたの…そしたら、恋人たちが、する行為、を…しようとしてたんだね」


恥ずかしそうに俯きながらゆっくりと言葉を発していく彼女。その可愛らしい姿に、俺の胸はドクンと脈打った。


「まだ、私…よく分からないけど…だけど、スパーダと一緒なら、怖くないし、ちょっと恥ずかしいけど、教えて、ほしいな」


俺の反応を窺うように下から見上げる名前に俺の理性は完全にログアウトした。





純真無垢な心は時に残酷で

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