これの続き。そして相変わらず変態
「うん、やっぱりいいねミニスカート」
「何故私の部屋にいる。去れ」
「サレ?誰だい、それ」
「グミなら僕もなんちゃらとか言う人…じゃなくて!どっか行けバーローっていう意味だよ!」
「ドッカイケばーろー?僕は育ちがいいから、そんな乱暴な言葉使われても分からないよ」
「嘘つけ!」
ベッドに座り、無駄に長い足を組んで爽やかに笑っているのはリチャード。
今日は一人一部屋割り当てられたので、仲間の誰かが部屋にいるのはおかしい。というかそもそも男のリチャードが女の子の部屋にいるのは、おかしい。おかしすぎる。
「あんた、何しに来たのさ」
「え、何って…ふふ、ふふふ。言っていいの?」
「いや、やっぱりいいや」
なんだかとてつもなく嫌な予感がして断ると、リチャードは残念そうに口を尖らせた。…いや、可愛くないからその仕草。
というかさ…
私は下を見る。正確に言うとはいているスカートを見る。
あの日からずっとこの格好。本当にいい加減にして欲しい。え、何がってこの格好も変態も。
戦闘中、私は足技を使うからスカートだと、その…ぱ、ぱんつが見えてしまう。アスベルやヒューに申し訳ない。私のぱんつなんか見ても得るものなんて無い。むしろ減る。え、教官?教官は覗き込もうとするからこの変態王子と同類。パスカルも一緒に覗こうとするし、シェリアはニヤニヤしてるし、ソフィはよく分かってないみたい。
称号を付け替えることは許されず、いつもスカート(の中)を気にしながら戦闘したり、日常生活を送らなければならなかった。ありえない。
「ねえリチャード、もう元の格好に戻りたいよ…。戦闘にも支障が出るし、もう嫌だ」
「それは駄目だよ。君が作業着に戻ったら、みんなのやる気が下がっちゃうからね」
「いや、むしろこのままの方が下がる気がするんだけどさ…」
「そんなことないさ!絶対このままがいいよ、このままが…」
そう言いながらゆっくりと目線を下に向けるリチャー、ド…って!
「へ、変態見るなっ!」
「ぶっ!」
リチャードを蹴り上げると、何故か親指を立てながら飛んでいった。…あ、
「み、見るなっ!」
「自分から見せてきたのに」
「違う!変態!言うな!あほ!」
「あほって…ヒドイな」
変態はいいのかよ。
なんてつっこんでいる場合ではない!こうなったら意地でも称号付け替えてやる!
と思っていると、リチャードに腕を拘束された。さすが、男。力が強く抜け出せない…!
「放せ!」
「駄目だよ、放したら称号を付け替えちゃうんでしょ?そんなの絶対に許さないよ」
「もう勘弁してよ!」
「駄目」
「やだ!」
「駄目」
「やだ!」
「駄目」
「やだ!…ひあっ!」
お尻に何かが触れる感覚。…その何かは撫でるように、お尻を動き回る。
「ひぃっ、な、なに?」
「ああ、ごめんごめん。ミニスカート姿の名前、僕には誘っているように見えたから、つい」
笑いながらも撫でるリチャードの顔面に思い切り蹴りを入れたのは、そのすぐ後。
とりあえず、今すぐに作業着に戻ろうと思う。