※悲恋


冗談なんかじゃないんです


マリクさんのことを想うと胸がドキドキするし、シェリアやパスカルとマリクさんが話していたらイライラするし。
どうしようもなくなってしまう。ふと切なくなって涙が零れてしまうの。すきなの、だいすきです。


食事を取るときも彼の隣。彼が後衛なら私も後衛。前衛なら前衛。全て、全てあなたの隣がいいの。
そして今日も私は彼に愛をささやくの。


「マリクさん、愛してます」


そういうと、マリクさんは決まって困ったように私を見て笑う。
冗談だと思われているんだ。冗談なんかじゃないのに。私の好きは、ソフィの教官大好き、とは違うのだ。
本物の愛なのだ。男女間の愛、LikeじゃなくてLove。

なのに、なのになのに…

私が子供だからって相手にされない。悔しくて悔しくて、私はマリクさんのベッドの中に潜り込んだのだ。


最初は驚きつつも、優しく私の頭を撫で、部屋に戻れと促すマリクさん。
私は少し腹が立った。本気なのに、本気なのに…!


私はゆっくりと上着を脱ぎ捨てた。
それと同時にマリクさんがビクリと反応した。

そしていつもの低い声で、私に止めろと言う。


だけど私は止めない。ボタンを一つ、また一つと外していくと、マリクさんに腕を拘束されてベッドの上に押し倒された。
まるで獲物を狙う肉食動物のような瞳。私が大好きなマリクさんはいなかった。そこに居たのは、ただの大人だった。


なんだか怖くなって、頬に一筋の涙。


するとマリクさんは拘束を解いて、私の乱れた服を元通りに直し始めた。



「これでわかっただろう。…終わりだ。…お前のことは、仲間としか。…子供としか思えないんだ」




嫌だ、いやだいやだ。
マリクさんは私を部屋から追い出し、ドアを閉める。
この思いは嘘ではなかった。でも、マリクさんは大人だった。私の知らない、大人だったんだ。

だけど、この思いは嘘じゃなかったの。だから、否定しないで。終わったなんて、思いたくないの。

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