「また鎌を磨いているのか?名前」
「…アスベル。何か問題でも?」
「いや、そういうわけじゃないんだけどな…」
「だったら…話かけないでよ。今忙しいってわからないの?」
「あ…ご、ごめん…」


騎士学校の時からの仲間、名前。性格は少し捻くれていて…。教官は今ハヤリのツンデレ、とかなんとかいっていたが…。いや、今はそんなことはどうでもよくてだな。とりあえず、彼女のツンケンな態度に俺は少々困り気味だ。放っておけばいい?…残念だがそれはできない。…なぜなら俺は彼女のことが好きだからだ。


「はははっ、惨めだね。アスベル」


そして彼女に冷たくされて落ち込んでいる俺に追い討ちをかけるのは、親友のリチャード。な、なあリチャード…。俺たちって、本当に親友なのか?最近すごく不安に思うんだが…。親友だと思っているのは…俺だけ、なのか?


「どうだい、アスベル。これで名前が僕にメロメロなのが分かっただろう?彼女は僕しか相手をしないんだ」
「そんなに言うならデートにでも誘ってこいよ」
「フッ、そんなの僕にとっては朝飯前だよ」


髪をかきあげながら名前の下へ向かっていくリチャード。必死で名前に話しかけるのだが、睨みつけられ、辛辣な言葉を頂いて帰ってきた。


「ふ、ふはははは!撃沈だよ!でもこんなんじゃないよ、アスベル!僕の実力は!」
「はいはい」


この通り、リチャードも通用しない。彼女はなんて攻略難なのだ。自分でいうのも何だが、自分たちは女の子にモテる。リチャードは黙っていればかっこいいし、俺だって騎士学校時代に何度女の子から呼び出されたことか。(名前には一度も呼び出されなかったがな!)(それはおろか、任務以外の時は殆ど口をきいたことがないのだがな!)



「なんですか、二人揃って情けないですね」
「ヒューバート…、じゃあ君は名前に冷たくあしらわれずにデートに誘えるっていうのかい?」


おいリチャード。なんか目的変わってるぞ。名前に話しかけてみよう、だったのが、名前をデートに誘おう!になってるぞ。


「あたりまえじゃないですか。彼女はぼくがいただきますよ」

眼鏡をあげながら名前の下へ向かっていくヒューバート。優しい笑顔で彼女に話しかけるのだが、睨みつけられ、辛辣な言葉を頂いて帰ってきた。(あれ、デジャブ)


「ま、まぁ…こんなこともありますよ。予想範囲内です」
「おーい。さっきお前自信満々だったぞ」
「ふっはははは!惨めだね、ヒューバート!」
「リチャード、お前が言うな…ってあれ?」


ふと、彼女のいた方を見ると、彼女は大きな背中の隣に並び、どこかへ向かっていた。
あれは…教官?


「マリクゥウウウウウウ!抜け駆けか!王に逆らう気か!」
「チッ、姑息な真似を!」
「は、はは…」


なんだこの展開は。…確かに、騎士学校時代から名前は教官のことを慕っていたし、教官も名前のことを大切にしていた。
…え、あれ?教官…ロリ、コン?




(いい加減素直になったらどうだ、名前)(だって…教官…)(アイツが話しかけていたとき、真っ赤だったぞ?)(な、なっ!)(ふ、可愛いな)



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