「あ、そうだ。これ…みんなに作ったんだけど」


星の核へ向かうシャトルの中。私は輝石のお守りを作ったことを思い出し、みんなに手渡した。
アスベルには赤、ソフィには紫、ヒューバートには青、シェリアにはピンク、パスカルには黄、マリクさんには茶、自分には白、リチャードには緑色の袋で作った。
袋の口にはそれぞれ同じ色の紐が通っていて、それでリボン結びをして留めている。


「すごい…輝石の守りか!」
「ありがとう、こんなに作るの大変だったでしょ?」
「ううん、大丈夫だよ」


皆がポケットにそれをしまったが、ヒューバートだけはずっとそれを見つめていた。
私はそんなヒューバートに近づいて、耳打ちする。


「ちゃんと作ったよ」
「…えぇ、ありがとうございます」
「あれ、珍しく素直だね」
「そりゃあ、大切な人から貰ったのですから」
「っ、ヒューバート…」
「おいそこのバカップル二人、もう星の核の入り口に着いたぞ」
「バ、バカップルじゃありません!」


マリクさんにからかわれて顔が真っ赤なヒューバート。皆が笑い始める、それにつられて怒っていたヒューバートもおかしそうに笑い始めた。
あぁ、幸せだな。そう感じた。みんなで笑いあえるだけで、幸せ。この世界には、幸せが溢れている。それを守るため、私たちは行く。星の核へ!
















星の核…、全ての物の根源の原素を生み出す場所。
そこへ通じる穴は、異様な雰囲気だった。


それと同時に感じる、ラムダ。私の中にあるラムダの感情が波打つ。


「っ…は、ぁ…」
「名前!大丈夫ですか?」
「う、ん…。ただね、ラムダが叫んでいるの。…来るな、って。…でも、行かなきゃリチャードは救えない。みんなを助けることが、できない」
「本当に、大丈夫なのか?」
「…うん、何があっても、みんなで一緒に帰ろうって約束したもん」
「辛くなったらいつでも言うのよ?その時は無理をせずに休みましょうね?」
「ありがとう、シェリア。みんな、ありがとう」





暫く進んだところで、先を歩いていたパスカルが立ち止まった。
パスカルは腰に手を当てて何かを確かめるように目を凝らす。

「壁…?……駄目だ、進めないよ」

普通に通路の向こう側が見える。だがよく目を凝らしてみると、通路と通路の間に歪ができている。
するとソフィが前に進んだ。そしてその歪を突き抜けたのだ。


「大丈夫、これならみんなの力を合わせれば突破できると思う」
「でも、名前はソフィの力を分け与えられていない。…大丈夫なのか?」
「名前には7年前に一度、私の光を分けたことがある。その力はまだ少し感じるの。だから名前もきっと突破できる」
「よし。じゃあ名前も、みんなも一緒に行くぞ!」


アスベル、シェリア、パスカル、マリクさん、ヒューバートと手を繋いだ私は歪に近づく。
すると、突然辺りに光が溢れた。それと同時に、私の頭の中にラムダの負の感情が溢れ出した。


「っあ…っ…」

その場に膝をついたのと同時に、今度は頭の中に何かが流れ込んできた。






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