「よし、できた」



袋の口を縫い、さらにその上から黄色の紐を結んだ。完成したのだ、やっと。
輝石の守りは持ち主を守ってくれる力があると言われている。
リチャードのために作った後、仲間の分も作ったのだが、一度その中身を全て出して全てをひとつの袋にまとめた。

みんなには悪いけれど、これはリチャードにあげることにする。
これだけ大量の輝石が入っているんだ。きっと、効果はある。
後はこれをどうやってリチャードに渡すかなんだけどね。




「名前ー、そろそろ出発するわよ!」



シェリアの私を呼ぶ声が下の階から聞こえた。
私はそれに返事を返し、輝石のかけらが詰まったその袋をポケットに仕舞い、帽子を被りなおした。


武器を持ち、傍にあった鏡を見る。




そこには自分がいた。自分が、いる
なにも、心配はいらないのだ。だから、私は行く。












星の核…、全ての物の根源の原素を生み出す場所。
そこへ通じる穴は、異様な雰囲気だった。



「ソフィの力も分けてもらったし、後は自分たちを信じて進むだけね。…頑張ってリチャード陛下を助けようね、名前」
「…うん」
「名前、どうかしたんですか?昨日から様子がおかしいですよ」
「そんなことないよ」
「体調が悪いのか?…何かあったら言ってくれよ」
「大丈夫だってば」



不自然になりすぎていないだろうか。それだけが心配だった。
ヒューバートが何度かこちらを見てきたが、私はそれを全て無視した。






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