「浜野くーん、こんにちはー!」
「おっ、来た来た。あがってあがって!」


はい、こんちわ。浜野海士でっす☆
今日は俺ん家に彼女の名前が遊びにきてくれましたーわーいパチパチ。ちゅーか今日はバレンタインなワケでして。俺、3週間前くらいからずっと楽しみにしてたんだよなー。名前ってさ、家庭的だから料理も超上手いんだよ!あーもうとにかく楽しみ!

名前を家にあげて、俺の部屋まで案内する。今日は家族は出かけていてだーれもいない。だから二人でゆっくりできる。…なんかこういう日に二人きりって、ホントに嬉しいよな。



「あ、浜野くんお部屋片付けたんだね」
「まあねー」
「偉い偉い」
「前に名前に言われてから、一週間に一回は掃除するようにしたんだー」
「海士くん、前は掃除は年末だけで良いだろ?とか言ってたもんね。吃驚しちゃったよ」
「あれは若気の至りってやつだな」
「あはは…」


名前は苦笑しながら俺のベッドに腰掛ける。俺もその隣に腰を下ろして、名前のほうを期待のこもった目で見た。


「名前名前!」
「ふふっ、じゃあはいっ。どうぞ」
「サンキュ!」


名前から受け取ったのはピンク色の箱。丁寧にラッピングを解くと、出てきたのは可愛らしいカップケーキに、トリュフだった。


「うまそー!」
「一応味見はしたんだけど…口に合わなかったらごめんね」
「口に合わないことなんてないって!じゃあ早速いただきまーす」
「ふふっ、どうぞ」


トリュフを一つ摘んで食べる。…うわ、うま!すげえうまい!
あっという間に一つ食べ終わり、もう一つ…と箱に手を伸ばした。二つ目も口に放ると、俺は名前を抱きしめる。



「わわっ!」
「めちゃくちゃ美味い!ありがとな、名前!」
「喜んでくれて良かった」
「あーー、俺ホント幸せだなー」
「大げさだよ」
「そんなことないって!ほら、幸せお裾わけ!」


そう言って名前にトリュフを差し出すと、彼女はふるふると首を横に振った。


「浜野くんが食べなよ」
「でも、二人で食べたほうが美味しいっしょ」
「私は良いの。浜野くんに食べてもらいたいんだから」
「んー…」


片手で持ったトリュフと睨めっこ。…そしてあることを思いついた。トリュフを口に入れて、名前の顎を上に向ける。驚いて目を見開く名前にサッと口付けた。


「ふ、ぅ…!?」
「…ん」

舌でトリュフを名前の口内に押し出すと、彼女は俺から逃れようと身を捩じらせる。だけど俺はそれを許さない、といわんばかりに彼女の身体を抱きしめた。

しばらくして、俺たちの口の中からトリュフを消えたのを確認して、俺は唇を離した。
そして、肩で息をする名前にニッコリと微笑む。


「幸せおすそわけ」
「は、浜野くんのバカ」





20120215




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