今日はクリスマスイブ。
なんと恋人である三国先輩のお家でクリスマスパーティーをすることになった!しかもお泊りだよお泊り!
それって三国先輩の手作り料理が食べれるってことでしょ?うわあ、嬉しいなぁ。

そんなこんなで三国先輩のお家にお邪魔しちゃいます。部活の帰りにスーパーで買ってきた食材を広げて、いざキッチンへ。
三国先輩のものだというエプロンを貸してもらって身に着ける。ちょっとだけ大きいそれは三国先輩のにおいがして何だかにやにやしちゃう。


「名前は野菜を切っておいてくれ。俺は下ごしらえをするからな」
「はい、わかりました!」

こうして一緒にキッチンに立つと、なんだか夫婦みたい。…ふふっ、なーんてね!うわあ、幸せだなぁ、幸せ!
ルンルン気分で野菜を洗って、それを丁寧に切る。私はあんまりお料理が得意じゃないんだけど、三国先輩のためにがんばってお手伝いします!






そんなこんなでお料理も出来上がって、それを食卓まで運ぶとあることに気がついた。


「あれ、先輩…おばさんの分は用意しなくて良いんですか?」
「?…あれ、言ってなかったか?今日は母さん、帰ってこないんだ」



!!!!??
え、う、うそ…。私、てっきり三国先輩のお母さんが帰ってくるものだとばかり思っていたから、今まで二人きりでも平気だったのに…!
三国先輩は「帰ってこない」と言った。…ということは、本当に、二人きり…!!

そう意識してしまったら、体がガチガチに緊張してしまって言うことを聞かなくなった。すると三国先輩の少しだけ戸惑った声が聞こえてくる。



「すまない…、二人きりは嫌だった…よな」
「ち、違うんです。その…あの、…き、緊張しちゃって…!」
「そ、そうか…。…俺も、してるよ」

ふわりと笑った三国先輩は、私の手を取って自分の心音を聞かせるように自らの胸へと導いた。
トクン、トクン、トクン…三国先輩の鼓動は少しだけはやい。それが何だか可愛くてクスリと笑みがこぼれる。


それから私たちは食事に手をつける。
三国先輩の手料理はやっぱりおいしくて、幸せな気持ちになった。



「先輩、おいしいです!」
「そうか?ありがとう。でも、きっといつも以上に美味しくなってるはずさ」
「え…?」
「名前が手伝ってくれただろう。それだけで美味しさも倍増だろ?」
「ううっ、三国先輩っ…!恥ずかしいですよっ!」
「はははっ」


食後には三国先輩の手作りだというケーキも登場して、一気に気持ちが高ぶった。
それからお互いのために用意していたプレゼントを交換して、順番にお風呂に入って、それから二人で寄り添いあいリビングでテレビを見る。

どの番組もクリスマス特集で、綺麗なツリーが映し出されて幻想的だ。



「イルミネーションも見に行きたかったな」
「そうですね…、テレビで見るのも良いけど…本物も見たいです」
「…名前」
「?」


ふいに名前を呼ばれて、顔をあげると唇に熱い何かが触れた。…三国先輩の唇だった。


「あっ…」
「すまない。…どうしてもしたくなったんだ」
「っ、三国先輩…」
「…名前、もう一つプレゼントを貰っても良いか?」
「え、…な、なんですか?」
「名前からのキスが欲しい」



まるでサッカーをしている時のような熱い視線で射抜かれて、私は頭の中がぽやぽやしてくるのを感じた。
ゴクリとつばを飲み込み、それから大好きな先輩へゆっくり顔を近づけた。






20111230


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