「で、最近どうなんだ?鶴正くんと」
「彼女いない暦年齢のお兄ちゃんには悪いけど、超順調でーす」
「縁がないだけだっ!……はあ、俺も彼女欲しいー」
「…よし、じゃあ行ってくるねー」
「え?日曜日だぞ、今日」
「ふっふっふ、これから遊園地デートで〜す」
「だから今日はやけにはりきったファッションなわけねぇ…」
「じゃあ行ってくるね」




「…はあ、リア充全開め。キラキラオーラ振りまきやがってよ。………ま、あいつが幸せならそれでいいか」

















「鶴正!待たせちゃってごめんね…!」
「本当ですよ、全く。あなたの遅刻癖、そろそろどうにかなりませんか?」
「ううっ…面目ない」
「これは、お仕置きが必要でしょうか?」
「えっ…」
「…なんで期待してるんですか。…ふふっ、冗談ですよ」


ふわりと笑った鶴正は私の手を優しく包むと、そのまま歩き始めた。耳が少しだけ赤いことは、本人にも内緒にしておいてあげよう。
彼の隣で、にやにやしていると鶴正に訝しげな目で見られたけど、それもまあよしとしよう!


そのまま遊園地を楽しんだ私たちは、最後に観覧車に乗ることにした。え、在り来たりすぎる?…でも女の子は結構皆憧れるものなんだよ?普通少女なら尚更でしょ?
向かい合わせで座って、景色を楽しむ…なんて余裕は当然なくて、二人してガチガチに緊張しながら、どんどん離れていく地面をずっと見続けていた。



「名前」
「…な、に?」
「ガチガチですよ」
「うっ、…鶴正も、じゃん」
「…減らず口を」
「きゃ、ちょ!揺らさないで落ちちゃう!」
「落ちませんよ、馬鹿名前」


少しだけ揺れたゴンドラが怖くて、揺らすために腰を浮かしていた鶴正に抱きつく。
すると、奇妙な沈黙が流れる。…先に口を開いたのは鶴正だった。



「この、観覧車の言い伝えって、知ってます?」
「…え?し、知らない」
「……頂上で、キスをすると…2人はずっと幸せで、いられるというもの、です」
「キ、キス…」
「…すごく、在り来たりで…馬鹿馬鹿しいって思うかもしれませんけど、…でも、俺は…キス、したいです」
「っ…!」
「…まだ俺たちは中学生ですけど、こんなこと言うなんて、大人からしてみれば、ホントに馬鹿みたいなことかもしれないけど、でも…俺は、名前と…ずっと一緒にいたいんです。名前だから、そう思えるんです」
「鶴正…」


段々と、頂上へとのぼっていくゴンドラ…夕陽に照らされても真っ赤になっているとわかる鶴正の顔、…きっと私も同じなのだろう。



「好きです、俺と…一緒にいてください」
「…私も、ずっと鶴正が好きだよ」


その瞬間、私は鶴正に抱き寄せられキスをした。
彼の温もりを感じて、私は幸せを一身に感じながら、目を閉じた。







20111109



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