(ぬるい性描写/ゲームネタバレ有り)












「ん、あっ…真帆…路く、イっちゃ、あ、あっ、っんあ」
「っ…くっ、」


絶頂に達した後、真帆路くんのモノが私の中から出ていく。それと同時に私の上にいた真帆路くんは身体を起こして私から退いた。
気だるい身体を起こしながら、私もソファーから起き上がって下に散らばっていた衣服を拾い集める。

彼との行為は中身なんてない。愛情なんてない。
現にほら、真帆路くんは私に声をかけずにシャワールームへと向かっていった。

下着を身に着けながら、ため息を吐く。…なんで、こんな関係になっちゃったんだろ。



真帆路くんとは幻影学園の選手とマネージャーの関係だ。
彼とは小学校も一緒だったのだが、その頃は会話をしたことがなかった。

真帆路くんがクラス中の人から苛められていた、というのは違うクラスだった私の耳にも届くくらい有名な話だ。
苛められていた原因は知らない。そもそも、真帆路くんはみんなの中心に立っていた子だった筈だ。明るくて活発で、運動会なんかでも活躍して…。今は全く笑わなくなったけど、昔はたくさん笑っていた…ような気がする。曖昧な記憶で申し訳ない。…それくらい、小学校の頃の真帆路くんと私の接点はなかったんだ。

中学に入ってからサッカー部のマネージャーをするようになって、真帆路くんと初めて会話をした。
冷たいけど、どこか優しい…信頼できる同級生だった。…少し、前までは。



ある日突然、シャワールームに連れ込まれて、無理矢理抱かれたのだ。
本当に突然…何の前触れもなく、彼は私を抱いた。抵抗したけど、抑え込まれて、無理矢理、真帆路くんは私を抱いた。3年になってから、少し経った頃のことだった。

それからズルズルと、こんな関係が続いている。
…すると、真帆路くんがシャワールームから出てきた。そして、私には目もくれず置いてあった荷物を取ると、部室を後にした。





私は、真帆路くんのことが好きだ。
…行為中の真帆路くんの顔はとても辛そうで、…行為によって彼の気持ちが晴れるのなら、と私もこれまで抵抗をせずに彼を受け入れていた。…だけど、それは本当に彼を受け入れていたと言えるのだろうか?

こんな関係は止めにしないといけない。真帆路くんのためにも、自分のためにもならない。…それに、彼の想い人である香坂さんにも、悪い。
…香坂幸恵さんと真帆路くんは幼馴染だ。真帆路くんの香坂さんを見る目は優しい。…きっと、真帆路くんは香坂さんのことが好きなのだろう。

…もしかしたら、真帆路くんは私を香坂さんの代わりにしているのかもしれない。だって、行為中キスもされたことがないし、そもそも名前で呼ばれたことがない。





嗚呼、





私は本当にずるくて卑しい女だ。
先ほど真帆路くんのため、なんて言ってたけど…結局は自分が傷つくのが嫌なだけじゃないか。香坂さんの代わりにされるのが、嫌なだけなんだ。





「わかんないよ…」




どうしたら良いのか、本当にわかんない。
考えれば考えるほどめちゃくちゃになっていく頭。自分がどうしたいのかも、どんな思いなのかも、ハッキリしない。

ふと、手元にあった携帯が震える。真帆路くんからのメールだった。



【明日、今日の時間と場所で】





どうしたらいいの?ねぇ、教えて。





20111227



「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -