スノーランドスタジアム?アイスランドスタジアム?ああ、まあ何でもいい!
こんにちは、三国さん大好き雷門中二年サッカー部マネージャーの苗字名前です!気軽に名前ちゃんとか名前っちとか好きなかんじで呼んでね!

とにかく、私はこのスタジアムに感謝したいです。…だって、…。
念願の「あっ、滑っちゃった…!きゃあこける…!…あれ、痛くない…。大丈夫か苗字。さ、三国さんっ…!」作戦が決行できるかもしれないからさっ!
三国さんのあの逞しい腕に支えられるなんて、うはあ…!…うはあ!


「あのーセンパイ、全部声に出てますよ」
「うるせぇ私の妄想邪魔すんな狩屋」
「…三国先輩にも聞こえてますよ」
「っえ…」

狩屋野郎に言われて、慌てて振り返ると、なんとも複雑そうな顔をした三国さんが。


「あ、はは…苗字は今日も元気だな」
「さ…んごくさん…」
「…さ、さて…準備運動でもするかな」

明らかに引いた三国さんは車田さんを引き連れて遠くに行ってしまった。…うおおい、うおい。


「うおい狩屋あ!なんでもっと早く言ってくれなかったんだよ!」
「ぶっ、はは…っ!センパイマジおもしれぇ!」
「狩屋あ!苗字センパイ舐めんなよぉっ!」
「うおっと」


狩屋に殴りかかろうとしたらズルりと滑った。ああ、忘れてた。下氷だったよ…!
滑って顔面が氷とごっつんこしかけた時だった。「危ない!」大好きな声が響いて、それから暗転…。

腹部に温かい感触、そしてさっきまで寒かったはずの体が…温もりに包まれていた。
ぎゅっと瞑っていた目を開くと、至近距離に大好きな三国さんのお顔が…うわ、あ…!わ、私…抱きしめられてる…!



「っ…!」
「大丈夫か、苗字!」
「さ、三国さん…」
「下は氷で滑りやすいんだ。ふざけていると大怪我するぞ?」
「は、はい…」
「分かったなら良いんだ。今度は気をつけるんだぞ?」


優しく笑った三国さんにお礼を言うと、大きな手が私の頭を優しく撫でてくれる。
念願の「あっ、滑っちゃった…!きゃあこける…!…あれ、痛くない…。大丈夫か苗字。さ、三国さんっ…!」作戦が成功したという事なんてどうでもいい。
ただ今は、三国さんに触れていた所がじんじんと熱くなっていって…妙な恥ずかしさだけが残った。

…やっぱり私、三国さんのことが大好き…!






「なんでラブコメ風に終わってんだよ。照れるセンパイマジキモい」
「大好きな先輩が他の男が好きだからって不貞腐れるなよ、狩屋」
「ちっ、ちげぇよ!馬鹿霧野先輩っ!」




2011106





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