(夢主転生者)



実は私、今イナズマイレブンの世界にいるんです。
弟が大好きで、よくアニメの話をしていたし、何より食事時に放送されていたので、家族みんなで見ていた。そのため、ある程度の知識と展開は頭の中に入っていた。

そして私は色々あって次の人生を歩くことになった。…その世界が、イナズマイレブンの世界だったのだ。
イナズマイレブンのキャラクター、吹雪士郎と幼馴染で、そのまま白恋中のマネージャーになって、流れでキャラバンに乗って、そして北海道とは真反対…沖縄までやってきたのだった。

最近は、原作軸に入ったためかかなり目まぐるしく色んなことが進んでいく。休む暇もなくて、正直疲れきっているのだが、当然選手のみんなのほうが大変なんだから、文句なんて言ってられない。とにかく原作を変えないようにしないと、いけなかったのだが…この状況はなんだろう。



「名前ちゃんは俺のことが好きなんだよ!」
「そんなことないっ!名前ちゃんは僕が好きなんだ!というか何で君がここにいるの!?君、宇宙人でしょ?簡単に出てきていいの!?」
「俺の名前ちゃんに会えるんなら、俺は何でもするからね!」
「意味わかんないよ!というか、君の名前ちゃんじゃない!僕の名前ちゃんっ!」


何故か私は、吹雪くんと宇宙人のグラン…基山の間に挟まれて、二人のわけのわからない会話を聞かされ続けていた。
今、炎のストライカーを探すために土門くん、吹雪くんと共に沖縄を散策していたのだが、途中で何故かグランが現れて、「名前ちゃん、俺と一緒に愛の逃避行をしよう」とわけの分からない発言をしたのがきっかけだった。

私は土門くんに助けてアピールをするが、彼は笑いながら口パクで「ムリマジムリ」と言ってきた。コノヤロー…!


「というか、名前ちゃんに決めてもらおうよ!」
「いいよ!でも幼馴染である僕を選ぶのは目に見えてるけどね!」
「ははっ、君知ってる?幼馴染って恋に発展しにくいんだよ?君のこともどうせ手のかかる弟くらいにしか思ってないんじゃないの?」
「チッ、宇宙人と人間は結ばれないんだよ!そんなことも知らないんだ〜ププっ」
「はあ?そんなわけないじゃないか!だって俺はにんげ「ストーップ!」


駄目だって。あっさり人間だってバラしちゃ駄目じゃんか!ばかヒロト!思わず彼の口を手のひらで塞いでしまった。
すると何を勘違いしたのか、グランが私の手を取って引き寄せた。うわ、う、わ…!


「ふふっ、やっぱり俺を選んでくれたんだね。嬉しいよ」
「は、はあ?何がどうなってそうなるんだよ!」
「本当だよ!名前ちゃんはもう君の声が聞きたくなくて口を塞いだんだよ?そんなこともわからないの?」
「唇で塞いでくれても良かったんだけどな。…あ、でも名前ちゃんは恥ずかしがり屋さんだから難しいかな?じゃあ俺がやって…」
「やめろっ!」

思わずグランを叩くと、彼は嬉しそうに頬を染めた。や、やばい、コイツ、ヤバイ!
吹雪くんの後ろに隠れると、彼はよしよしと頭を撫でてくれる。


「やっぱり僕を選んでくれたんだね。名前ちゃん!」
「いや、違うけど…」
「恥ずかしがらなくても良いんだよ?可愛いなあ」
「駄目だ、話が通じない」
「というか、いい加減決着をつけない?結局のところ、名前ちゃんはどっちがいいの?」
「そうだね…いい加減決着をつけないとね…」

ガシリ、ガシリと右腕をグラン、左腕を吹雪くんに掴まれる。な、何でいきなり結束するの?本当にわけが分からない!


「名前ちゃんは、」
「どっちが好きなの?」

顔が(は)整ってる二人に言い寄られて、普通の女の子なら嬉しいだろうが…私には恐怖でしかなかった。
段々と顔を近寄らせる二人。こ、この状況から抜け出せる策を…って、あわてないあわてない、ひとやすみひとやすみ……ポク、ポク、ポク、ポク、チ〜ン。と脳内で懐かしのアニメのあの人のマネをして、思いついた!よし、これだ!



「ど、土門くんが好きなの!」



一瞬で固まる吹雪グラン、他人のふりをしていた土門くんは一瞬にして表情を強ばらせる。
ぎぎぎぎぎぎっと効果音がつきそうな感じで土門くんを見つめる二人。

そして、すぐに追いかけっこが始まった。私はそんな三人を無視して歩きはじめる。
これは…私を助けてくれなかった土門くんに対する仕返し(身勝手な話だけど)、そしてあの二人の標的を変えるためのすんばらしー策だったのだ。



さて、さっさと逃げますか
3人が私ががいなくなったのに気付くのは、きっともっと後





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ささらさんのみお持ち帰りokです






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