今日の部活はお休み。だから、サッカー部のマネージャーみんなで秋物の服を買いに行くことにした。
稲妻町にあるショッピングモールは品揃えも豊富で、可愛いお店もたくさん。服の好みがそれぞれ違うので、一人一人違うお店を見て回らないといけなかったけど、それはそれで新たな発見があるかもしれないし、楽しいよね!

これが可愛い、あれが可愛いと騒ぐ葵ちゃんと私。
そんな私たちを呆れたように、でも楽しそうに見ている水鳥ちゃん。
そしてみんなを優しく見守ってくれる茜ちゃん。

性格も何もかもバラバラな私たち。だけど、仲良しな私たち。4人でいる時間がとても楽しくて仕方なかった。



「これ名前ちゃんに似合いそうだね」

ふわふわのシフォンケーキのような白いスカートを手に取り笑う茜ちゃん。スカートを受け取り、鏡の前で自分に当ててみる。
茜ちゃんの趣味はとても良い。可愛らしいスカートを、私はすぐに気に入った。

「うわあ、これ可愛いね!茜ちゃん、ありがとう!私これ買うよー!」
「うん」

ふわりと微笑む茜ちゃんは本当に可愛くて、大好き。
私も彼女の役に立ちたくて、茜ちゃんに似合いそうな服を探した。…あ、これはどうかな?

花柄の優しい色合いのワンピースを茜ちゃんに見せると、彼女は嬉しそうに笑いながら受け取ってくれた。


「すごく可愛い…、ありがとう名前ちゃん」
「名前ー茜ー、次の店行くぞー!」
「あははっ、水鳥ちゃんはせっかちだなあ。…お会計行こっか」
「うん」

お会計を済ませて、同じお店の袋を持った私たちを葵ちゃんと水鳥ちゃんが出迎えてくれた。
二人の手には、私たちと同じように袋が握られていた。


「買い物はもういいか?」
「うん、私はもう満足」
「私も名前ちゃんに可愛いの選んでもらえたから満足だよ」
「茜ちゃん…!私も茜ちゃんに選んでもらえて嬉しかったよ!」
「お二人は本当に仲良しですね!」
「えへへっ」


オシャレなカフェでランチを終えた私たちは、ゲームセンターに足を運んだ。
お出かけ記念にプリクラを撮ろうと思ったからだ。

最新機種のプリ機に入って、葵ちゃん操作のもと、私たちは2列に並んでカメラに笑顔を向ける。


パシャリ


確認画面に現れた写真の中の私たちは、本当に楽しそうに笑っていた。





みんなでラクガキしたものが、印刷口から出てきた。それを、水鳥ちゃんがハサミで切り分けようとするのを私と葵ちゃんで全力で止めて、ぶーぶーと頬を膨らませる水鳥ちゃんを茜ちゃんに任せて葵ちゃんと二人で分担して全部の写真がみんなに行渡るようにハサミを入れた。

葵ちゃんが書いたものは、スタンプが多くて女の子らしい。
水鳥ちゃんが書いたものは、やたらとキラキラが多かった。
茜ちゃんが書いたものは、ほんわかとしたパステルカラーで文字がつづられていた。

誰がどれを書いたかがすぐに分かって、なんだか面白い。
それをみんなに手渡すと、みんな笑顔でそれを見ていた。すると、茜ちゃんが描いたプリクラの1つに、可愛い字でこう書いてあった。


『いつまでも仲良しでいられますように』


少しだけくさい言葉だけど、私もそうだと良いな、と思った。
何もかも違う私たち。だからこそ一緒にいて楽しいし、これからも一緒にいたいと思うんだ。

そのプリクラを台紙から剥がして、携帯の裏側に貼る。
そうすると、みんなといつも一緒にいられる気がして、なんだか心がとても温かくなった。









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