家に帰って、部屋に入り…それからベッドにダイブ。…ああ、今日の事を思い出したらニヤける。
今日は始業式だった。入学式が明日に控えているので、今日は新2・3年で始業式を行った後、入学式前の掃除をして解散という流れだったのだが…。
「(苗字と、同じクラスだった!)」
雷門中は1学年の人数が多いため、同じクラスになれる確率は極めて低い。
だから、今朝までは非常にドキドキして…期待と不安で眠れなかった。
もし同じクラスになれなければ、苗字に会えるのは部活しかなくなる。…別に、それで十分じゃないか?ハッ、わかってねーな。
クラスが一緒になれたら、席だって隣になれるかもしれねえし、二年の後半に控えている修学旅行も、もしかしたら同じ班になれるかもしれない。
それに、部活で過ごす時間より教室で過ごす時間のほうが長いのだ。
まあ、とにかく部活も学校生活も彼女と同じが良いので、同じクラス希望だったわけだ。
だから、自分の運の良さに泣いた。…まあ実際泣いてはいないが、超嬉しかったってコトだ。
だけどそんな嬉しくてたまらない!!という姿を学校で晒すわけにもいかないので、俺は自分の部屋まで耐えて…そこで爆発した。
ベッドをドスドス叩いて、ニヤケる顔を隠さずに悶える。
なんて運が良いんだ、俺は!
…もう一度思い出してみよう。
朝起きて、ドキドキしながら通学路を歩いていたら南沢さんがいて…「同じクラスだといいな」とニヤけながら言われて、先輩の頭を一発殴って、それから二人で玄関前に貼られていたクラス分けの表を見る。
俺は、心の中で「一緒のクラスのように」と念じて、それから自分の名前を探した。
カ行なので出席順の上のほうにあるため、すぐに見つけることが出来た。それからすぐに、自分のクラスの女子の欄を探す。
すると…
○○○○
○○○○
苗字名前
○○○○
み、見つけた!と思って、念のためもう一度自分の名前を探し、それから苗字の名前を確認する。それを何度か繰り返し、そして確信した。
い…一緒のクラスだ!
さすがにその時は嬉しすぎて、ニヤけていたようで。南沢さんにからかわれながら、教室に向かう。
黒板に貼ってあった席順を見て、席は隣じゃないけど…でも彼女がこのクラスなのだと再確認。ああ、なんて良い日だ。
そのまま何も無かったように席に座ってうつ伏せになっていると、聞きなれた声がした。
「あれー、倉間!早いなー」
「…お前も一緒かよ…」
聞こえてきた浜野の声に顔をあげると、ヤツの後ろに速水と苗字が、いた…!
ドキドキと胸が鳴る。ああ、一緒のクラスだ。一緒のクラスなんだ…。
「お、おはよう倉間!」
「…はよ」
「倉間くんも一緒のクラスなんですね…」
「あ?悪いかよ」
「そ、そんなこと言ってないじゃないですか〜!」
そんな速水を放って彼女のほうをチラりと見ると、苗字も俺を見ていたみたいで、ぎこちなく微笑まれた。
「っ…、ヤバ…」
その笑顔を思い出しただけで、本当に…なんというか、たまらない。
ベッドを叩くのを止めて、俺は布団に顔を埋めた。
多分これから、4人で行動をすることになるのだろう。
本当は二人きりがいいけど…、でも。
「苗字…」
ああ、やっぱり好きだ。
…彼女が一緒のクラスで、本当に良かった。これからの学校生活が、楽しみで仕方ない。