「ありがとうございま〜す」

本日快晴。祝日にも関わらず私はバイト。あーあーあー
(喫茶店だから休みが稼ぎ時だったりする)

こんな日は家に置いてきたチビ2人が暴れてないか心配だけどまぁ、保護者が付いてるから平気でしょう…たぶん

よし、帰りにケーキ余ってたら分けて貰おう
梵天丸と弁丸へのお土産に
それから、日々疲れが溜まってるであろう佐助さんと小十郎さんの為にも


「おねーちゃん!」
「ん?」

私がショーケースを磨いていれば奥の席から走ってきた常連の男の子。名前はちかちゃん
手にはフォーク。
さっき持っていったショートケーキが乗っている



お母さんは…席にいないところを見るとトイレかな←


「はい!あーん!」
「あーん?ん?!」

―ちゅっ


「へへっ!お姉ちゃんあま〜い♪」


目線を合わせてしゃがめば、食べて食べて!と言わんばかりにそのショートケーキを差し出されたものだから特になんの抵抗もなく(いつも梵とか弁丸にやったりやられたりしてるし)一口貰えば、なんとキスされてしまいました!しかも口に…!
最近の子はマセてるっていうけど…いやぁ私がされてしまうとは…


まぁ可愛いから許す!!




なーんてほのぼのしていれば感じた視線。


ふと、入り口を見れば向こう側に弁丸が口をパクパクさせながら立っていた




「弁丸…?」

〈はれんちでごじゃるーっ!!〉

ドア越しでもはっきり聞こえた声。
…ちかちゃんの耳を塞いで正解だった





「お姉ちゃん?」
「あ、ごめんごめん」

ちかちゃんが…何?って感じで見上げてきたので私は耳を塞いでいた手を離した



〈ちょっと旦那!?なに騒いでるの!?〉
〈さっ…さすけ!あやつがひめどのにせっぷんを…!!〉
〈わっつ(what)!?〉


聞き馴染んだ声がしたかと思えばバンッとドアが開きチビ2匹が飛び込んできた



「はにぃー!!」
「ひめどのっ!!」
「あっ!コラッ2人ともっ!!」

梵天丸と弁丸が私の両脇にくっいてちかちゃんをにら…睨んでるのかこれは…一体何故に…


「お姉ちゃん、なぁに?このこたち…」
「てめぇこそなんだ!」
「ひめどのに近づかないでくだされ!!」
「はぁ?」
「こら梵に弁丸!なんて口の聞き方するの!」

2人を小突けば勢いよくこっちを見上げてくる「なんだよっ…はにぃはおれよりこっちのがきのがいいってのかよ!」
「…梵?」
「せっぷんはすきなものどうしがするときいておりまする…#name1#どのはこのものが…?それがしだってひめどののことをすいとうございますっ!」
「弁丸…」

なんだこの可愛い生き物たちは…!!


「なら、お姉ちゃんはちかに好きって言ってくれたからいいの!ちかだってお姉ちゃんのこと大好きだもんっ!」


ちかちゃんっ…!
可愛すぎるっ!
もうどっからどうみても女の子だよっ!





「ちかっ!」
「!!お母さん…」
「もう、すみませんご迷惑おかけして」
「あ、いえ、大丈夫ですんでお気になさらず!」


そろそろなだめなきゃかなぁ…なんて思いながら見守っていればちかちゃんママ参上。




ちかちゃんを拾って会計を済ませて出て行くまでがチョー早かった



最後にバイバイと手を振ったちかちゃんにしゃがんだまま笑顔で手を振り返す



「ちっちゃい子にモテモテだねぇ〜姫ちゃん」
「うん、超幸せ!」

今までカウンターに肘をついてこっちを眺めていた佐助が口を開いた

なんかヤケにちっちゃい子を強調していたのはスルーの方向で。




さて、ちかちゃんのさっきの言葉に固まってしまった2人は私のエプロンをギュッと握りしめたままだ


「…れありー?(really?)」
「え?」
「ひめどのはあのものがすきなのでこざるか…?」


しょぼーんと目に見えて落ち込む姿に思わず笑みが零れる



「うん、私はちかちゃんが好きだよ?」
「「っ!!」」
「でもね、」

最初の言葉にショックを受けた表情を見せるが、続きがあるとわかると不安げな目で続きを待っている


「それと同じくらい梵天丸も弁丸も大好きなんだよ?」






2人が目を見開いたと思えばそのまま抱きしめ(?)られた



と、両側の頬に柔らかい感触




「ちょ、2人とも何やって…」
「すきどうしならいいんだろう?」
「ひめどのはそれがしをすきといってくれたでござる!」
「“たち”だ!ゆーしー?」
「…っ!2人とも可愛すぎるっ!!」

私を挟んで口げんかを始めた2人をあまりの可愛さにめいいっぱいの力でぎゅうっと抱きしめたのだった。














―――


佐助が空気。

ちかちゃん、姫若子として登場←
もちろん現代の子設定です\(^O^)/

110128


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bkm
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