――スッパーーンッ!!「っ…ヤッベ!?」
「キキッ!!」ガタガタガタッと音をたて、窓から飛び降りようとした。
…が、いつまでたっても聞き慣れた怒声が聞こえないことを不思議に思い、そろり…と肩に乗った小猿も一緒に振り返る
「あっれー?」
「キー?」
全開にされたそこに、人影はあらず、両隣の部屋で寝ているであろう人間の気配しかしない
跳びだそうとしていた窓枠から部屋へ戻り、起きてしまったからには仕方がない…と身支度を整える
(まつねーちゃんだと思ったんだけどなー…)
「なぁ、夢吉?」
頭の上で遊んでいる親友に同意を求めるれば「キキィ!」と頷いた。気がした。
大刀を背負って階下へと降りれば「あら、慶ちゃん今日は早いんやねぇ」と声を掛けられた
「いやー、なんか目ぇ覚めちゃってさ〜」
「あらまぁ、んで、今日はどこまで行くん?」
「そうだな、たまには家に戻ってみるよ!」
じゃあね!と手を振れば「気ぃつけてなぁ」と笑顔で見送られた
「あ、襖…誰か開けたか聞くの忘れた」
「キー」
まぁいっか!
帰ったらまつねーちゃんの説教だよなぁ…
やっぱやめようかなぁ…
なんて思いながら京の町並みを歩いていくのだった
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bkm