ケセランパサラン | ナノ

「おー、名無しやないか、こっちばきたか!楽しんどるかー?」

その声に顔を向ければ、島津のおっちゃんが片手に焼おにぎりの皿を持ち、奥に続くのれんをまくり上げながらひょっこりと出て来た




「なんね?まーた怒られとんのか?」
「あぁ、まだそれ持ってかないほうがいいと思うぜ」
「そうすっかぁ〜片倉どんの邪魔しちゃ悪ぃしのぉ〜」
そう言ってパクリと盛ってあるおにぎり一つを口に放り込んだ


「ん〜よかできばい」
「おっ、マジか!俺にも一個くれ!」
「オラにも!」
自賛するおっちゃんに差し出されたふたつの手。


「あれ、いつきちゃんこんなところにいたんだ?」

カウンターの中からにょきっと伸びている手を追い、乗り出して見ればそこにはいつきちゃんが。

「おぉ姉ちゃん!」

お店に入ってからパッタリ姿を見なくなったので、どこに行ったんだろう?とは思っていたが、まぁ、店内だし平気だろ。と、放っておいたのだ


「なんだ、一緒に入ってきたと思ったらやっぱり知り合いだったのか?」


悪ぃな、見事な銀髪だったから連れてきちまった!と続ける元親先輩に「「姐さんの妹なんすか?!」」と舎弟の二人が続けた




「いや、確かに妹みたいなものだけど…」
チラッといつきちゃんを見れば、えへんっ!と手を腰に当て「オラと姉ちゃんはご近所さんなんだべ!」と、にっこり笑って言った。










「…てか元親先輩、見事な銀髪だからって攫っちゃダメですよ…いくら店内でも、知り合いでも…」

いつきちゃんと遊んでいる舎弟の二人を眺めつつ、話しかけてみれば「いやぁ、どうにも我慢出来なくてよ」と苦笑された




「…実は着せ替えて遊びたかったから…だったりして」
「ばっ…だっ誰がんなことするかよ!」
そういえば元親先輩、実は可愛いものが好きだとゆう話を思い出し、ニヤリと笑って冗談混じりに言ってみれば顔を真っ赤にしていた

「…図星なんだね…」
「っ!ゲホッだから違ぇって!」










(隠さなくていいんだよ?)
(〜…っ!)
(どうかしただか?)

090608




     


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