ケセランパサラン | ナノ
「…っとまぁ、そんなわけでお話するようになったんですよ。ねっ、片倉さん」


政宗たちに軽く片倉さんとの出会いを話したあと、本人に、そうでしたよね?っと確認をすれば「あぁ、そうだったな」と返事はしてくれたものの、なにか考えてるようだった

だって眉間のシワが増えてるんだもん




片倉さんから視線を外して再び政宗たちに顔を向ければ、なにやら片倉さんを見て「へぇ〜?ほぉ〜?ふ〜ん?」とニマニマしていた。キモい





「……てめぇら、なにが言いてぇ…?」

痺れを切らしたのか片倉さんが少し低くなった声で口を開いた


「いや、別に?」
「…でも、ねぇ?」
「あの色恋沙汰のいの字もない小十郎がねぇ…?」
「破廉恥っ!」
「なっ…!てめぇに破廉恥なんざ言われる覚えはねぇぞ!…おめぇらも気持ち悪ぃ顔してんじゃねぇっ!」


ぽっと出て来た幸村に切って落とされたように周りもだんだん箍(たが)が外れて小十郎を餌に騒ぎ始める



「年の差有りすぎなんじゃなーい?」
「は?」
「だからさ!あの子とだよあ・の・子!」
「いや、だからなんでそうなる…」
「俺らは嬉しいんだよ小十郎」
「政宗様…?」

からかってくる佐助と慶次に呆れていれば政宗にガシッと肩を掴まれた。
…少し身長差が気になるところだが


「だってなぁ?人生のほとんどを伊達組と俺に注ぎ込んできて女のおの字もあったかわかんねぇ小十郎だぜ?」



政宗がそう言った瞬間、片倉さんのキッチリとセットしてある前髪がひとふさ、パラ…と垂れ…小十郎で遊んでいた奴ら全員が凍りついた


「ほぅ…政宗様。よくわかっていらっしゃるようだ…?」

みるみるうちに青ざめていく人たち。

その光景をただ眺めていれば「よっ…と」という声と共に地面とさよならして肩に担がれていた

うん、慣れちゃいないけど慣れたよ…うん



「元親先輩?」

ゆらゆら揺れる銀髪に話しかけてみれば「おー」っと返事が帰ってきた

「あそこは危ねぇからな、避難するぞー」

そう言いながらズカズカとカウンターへ歩いていく。





「降ろすぞ」
「うん」

イスに降ろされた私に「あっち見てみ?」とクイッと親指の方向を見れば、さっきの四人が片倉さんに「調子こいてんじゃねぇぞ餓鬼がっ!」と怒られていました。


「もしかしたら巻き込まれてたかもしれねぇッスよ姐さん!」
「流石兄貴!」

そう言って声をかけてきたのは自転車を漕いでいた人と高台からこっちを見下ろしていた人だった

(しかも、見たことあるとおもったら私に絡んできてた人たち…。)

「うん、巻き込まれて怒られるのはは勘弁だなぁ…ありがとう元親先輩!」
「おう?」









((だって、一緒に怒られる側にいたら愚痴を聞いてあげられなくなるでしょう?))


(聞いてんのかテメェら!!)

090605




     


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