ケセランパサラン | ナノ

「アイタタタタタ…。ワタシ、コンナ体当タリナ歓迎初メテネー…。皆ワタシノ事無視シテタ嬉シーイ」


収まってきた煙の中、むくりとザビーが立ち上がった

「え、うそぉ…」
「ほぉ…なかなか骨のあるやつじゃねぇか」
「俺らも混ざるか小十郎?」
「ご冗談を…しかし、奴が民間人に手を出した場合は手加減無しでやれそうですな」

あの幸村の端から見ただけでも破壊力のあるあの体当たりを…と名無しはびっくりして口をポカンと開けたまま固まる

それに対し、政宗と小十郎は楽しそうにニヤリと笑っていた







「いやぁ、幸村の突進くらってノーダメージなんてすごいなぁ!」
「キキィ!」

まるで面白いものを見つけたかのように感嘆の声を上げる慶次と夢吉

それぞれ、各々の感想を抱く中、ザビーが「ザビー嬉シイ!歌ッチャウー!リサイタルショーノ始マリネー!」と、どこからともなくメガホンを取り出し歌い始めた


「な、・・なんだこりゃ!?」

初めにぶったまげた声をあげたのは元親。

「くっ…謙信…様っ…!」

「っ…earにクルな…真田の叫び声よりひでぇんじゃねぇのか?」

あまりのショックにかすがだけでなく、その場にいるほとんどの人たちも耳を塞いだ。



「なんともひょうげんしにくい…ちんみょうなこえですね…」
「そうじゃのぅ…」
「ザービザビ、ザービザビ!」

目を細める謙信と信玄。
気持ちよさそうに歌い続けるのはザビー。


ザビー以外の全員が、このカオスな状況に身動きが取れずにいれば、ガラガラガラと引き戸の開く音がした


「おまはんら…騒がしいと思ったら、わいの店の前でなにやっとんね?」

店の戸を開けて中から出てきたのは島津のおっちゃん。
一歩外に出て辺りを見渡した

「おっちゃん!」
「おー?たくさんいんね、なんの集まりや?祭なら呼ばんかい!」
「いや、祭ではないだろう…」

少しプンスカし始めたおっちゃんの後ろからひょっこりと背を屈めながら姿を現したのは豊臣秀吉さんだった。
父の趣味仲間でよく遊んだりしてる

「やっぱりなにかあったの?」
「危ないからねねは中におれ」

そのまた後ろから聞こえた可愛らしい声。
どうやら奥さんのねねさんも一緒らしい









2人が出てきてもザビーのリサイタルはしばらく続いていた…













「がっはっはっはっ!おまはんの歌は実に楽しか!!」

皆が「えっ?!」っと目を見開いておっちゃんを見れば、おっちゃんは上機嫌に笑っていた


「オー、アナタ物分カリノ良イ人ネー。アナタトワー、前世カラノ友達ナ気ガシマース!」




なんとも言えない雰囲気のなか、歩み寄る2人。




それを阻止したのは天から差した影だった






(え、元就本気かい…?)


(((((ん…?))))))
(焼け焦げよっ!)
((うわぁぁああ!))
(野郎共!?)

090601




     


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