「何やら騒がしいですね」
「そうですね…ひょうてきがちかいといったところでしょうか…」
かすがと謙信が軽やかに走っていれば進行方向からの怒鳴り声やら色んな音がだんだん大きくなる
「…謙信様!」
「はい、おねがいしますね…かすが」
一言交わして謙信の後ろを走っていたかすがが前に出た。
もちろん、彼に危険がないか確認するためである
(河童とこの音が関係あるのか…?…やはり、緑色なのだろうか…)
色々と不安要素を抱えながら、かすがは走って行くのだった。
―――
「お母さんっ!」
弾切れの濃に、これは好機と迫って行くザビー。
「カクゴーッ!」
「くっ…!」
ザビーを回避する母から目を逸らさず、私を担ぎあげている"小十郎"さんの背中を「降ろして!」と叫びながら叩くが、今現在政宗に脳回路を全部もっていかれているらしい彼に効果はなかった
「政宗っ!アンタ早く捕まりなさいよ!」
車の周りをグルグルグルグル、逆周りのフェイントも入ってグルグルグルグル。
「てめぇら遊んでんじゃねぇよ!」…っとイライラ叫びたい衝動に駆られる
「名無しは小十郎の怖さを知らねぇからんなことが言えんだ!」
「こっちはお母さんが生きるか死ぬかの一大事なのよっ!」
車を挟んで対角線上で睨み合いを続ける二人に思わず、自分何してるんだろう…と泣きたくなった
あぁ…と"小十郎"さんの肩でうなだれていれば頭をぽんぽんと撫でられた
「女人の危機を見逃す事は出来ぬ。某にお任せあれ」
顔を上げれば幸村がニコッと微笑み、ザビー目掛けて突っ込んでいった
「ぅおおおお!烈火ぁぁああああ!」
ドーーンッ!!
「きゃっ!?」
「ア"ーーーッ!!」
「ちょ…お母さん!?」
激しくぶっ飛ばされるザビーに後ろへよろめく母。
あっ!と叫べばヒュッと現われた影が母を担いでこちらに向かってきた
「かすが…!?」
「なにをしているんだお前ら…」
まさかのかすがの登場に目を丸くしていれば、眉間にシワをよせて怪しい目でこちらをみながら目の前で母を降ろした
(あら、ありがとうかすがちゃん)
(いえ。ところでカッパを探しているんだが…)
((カッパ…?))
(…アレの事じゃねぇか?)
090528
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