「待ちやがれ幸村!」
「速いってっ…!」
猛スピードで道を爆走していく三人。
ここから居酒屋までは曲がることも無ければ曲がり道すらないのでいつもなら別に構わないのだが、今は何が起こっているかわからないし…なにより目的地を通り過ぎてしまいかねない。
…にしても速すぎる。
「なぁ元親、俺らなんか離されてないかい?」
「こりゃヤベェな…政宗!お前先に行けっ!」
元親は、この中で幸村と互角なスピードなのになんで前に出て止めねぇんだよと舌打ちをして政宗に声をかける
…その場にいないのだから前に出られるわけもない
「元親…政宗、来てねぇよ…」
「キキィ!」
「はぁ!?」
二人して後ろを見れば道がただただ真っ直ぐ道が続いているだけであった
「…まぁなんとかなるでしょ」
ははっと慶次が笑った。
どんどん離されながらも全力で追いかける。
…と、幸村の更に前から塀の上を走りながら、たまに屋根に移ったりしてこちらに走ってくる影がひとつ見えた
「佐助っ!」
「そいつ止めて!!」
「へいへい」
「ぐはぁあっ!!」
元親と慶次が叫べば、幸村の前に降り立った佐助がたぶん条件反射でラリアットを喰らわせた
「やけに遅かったけどどうかしたの?政宗もいないし…ってこれ旦那じゃん?!」
ヤベッと慌てふためく佐助に追いついた慶次と元親が「ナイス!」と揃って親指を立ててニカッと笑った
「あー、もしかして旦那…暴走中だった?」
やれやれという表情はもう確信していたが、とりあえず聞いてみればコクコクと頷く二人。
佐助は、はぁ…とため息をつくばかりであった
「そういや名無しはどうなってた?」
「あぁ、そうだった。なんかすごい事になってるよ」
あっと当初の目的を思い出した元親が佐助に尋ねる
「すごい事?」
「うん。助けとか、行ったら逆に殺されちゃうかも」
?マークを浮かべて説明を催促する二人に「あのね、」と口を開けば、プップーっと後ろからクラクションの音が響いた
(((なんでこうゆうときに車がくるかなっ)))
(Hey!乗ってけよてめぇら!)
(いないと思ったらなんで車…って明智!?)
090525