「ねぇ、あれって元親じゃない?」
「Ah?」
そう言って佐助が指差した方を見れば確かに銀髪のデカい人が倒れている
「…確かに元親だよなぁ…」
「キキッ!」
「元親殿ー!何故そのような場所で寝ておられるかー!?」
名無しを追いかけようと片付けをして、もう園内にはもういないか・・と出口に向かっていれば道のど真ん中で寝転んでいる元親を見つけ、わらわらと群がる四人と一匹
「元親殿ー!風邪引くでござるよー!」
耳元で叫ぶのは幸村。
その横と元親を挟んだその前では慶次と政宗が「おーい」と呼びかけながら、そこら辺に落ちていたらしい小枝を拾ってツンツンつついている
「(なんか旦那がまともに見えてきた…)二人とも…枝はやめよう?枝は…」
某昔話を思い出しながらやれやれ、とため息をつけば「あ゙ー?」っと元親が目を覚ました。
「「あ、起きた」」
それを合図に二人は、元親が覚醒する前に枝を茂みへと投げ捨てた。
クルクルと半円を描いて別々の場所へ、ガサリと落ちていく二本の枝
「…?今なんか投げなかったか?」
「「気のせい気のせい」」
二人を見て怪訝な顔をする元親に政宗は違う違うと手付きで首を横に振り、慶次はにこにことしている
「元親殿は何故このようなところで?」
「あ?あぁ…」
キョロキョロと辺りを見渡す元親。
佐助がどうかしたの?っと尋ねてみれば現状を軽く細かく話し始めた
―――
「要するに変なのに追われてる名無しちゃんを竹中と毛利先輩が追いかけてるわけね」
「あと、たぶん野郎共もな」
これは俺様たちも参加したほうがいいのかな?でも、追いついた頃には解決してる気がするんだよねー…と佐助が腕を組んで考えていれば「なるほど」と、幸村が口を挟んできた
なんだ?と全員幸村に顔やら視線を向ける
「元親殿は使えぬ故、毛利殿に殴られて気絶していたのでござるな!」
「お、…おぅ」
笑顔の幸村に三人が黙った。
(え、それ言っちゃう?俺様あえて触れなかったのに…)
(その言い方はきついって幸村…)
(こいつホントはKY(空気読めない)じゃなくてAKY(あえて空気読まない)なんじゃ…)
それぞれ思うところはあったのだが、最終的に元親が早めに精神的ダメージから立ち直れるように心の中で手を合わせたのだった
(意外にガラスのハートだからねぇ・・・)
090515