ダダダダッと走るのは名無し。
その後を、のっしのっし、ドスンドスンと走るのは"ザビー様"。
二人の追いかけっこはまだまだ続いている。
(島津のおっちゃんの居酒屋ってこんなに距離あったっけ?!)
実際結構な距離なのだが、織田家はいつも家族でわいわい歩いているから気づくと目的地に着いてしまっているため今回は遠回りしているプラス、恐怖という付属品付きなので、いつもより長いという錯覚に陥っているのでありましょう
公園を抜け、ただひたすら道を走っていく。
「オジョウサーン、一体ドコニ向カッテイルノデスカー?モシカシテ愛の巣!?ウヒョー!ラブラブネー!」
なにやらこちらに話しかけては叫ぶザビー様。
勘違いもはなはだしい、近所迷惑にも程がある。
なんかもう…とちょっと鬱になりかけていた名無しがふと前を見れば希望の光が見えた
「浅井っ、さんっ!」
パトロール中だったらしい浅井長政に偶然遭遇したのである。
ちなみに、名無しのなかでは、チンピラに臆することなく話しかけたり退散させたり、はたまた絡まれているところを助けてくれたりと、彼はとてもイイ人+強い人的なポジションにいる
「お前は…なんだ貴様は!?女を追いかけ回すなど悪にも程がある!織田は逃げておけ!」
現状を理解してくれたらしい浅井さんは、向かってくる"ザビー様"をロックオンして構えをとった
そして名無しが長政の横を通り過ぎたと同時に彼は叫んだ。
「削jy「ウルサイネ」
ぷちっと潰される長政。
「あ、浅井さんっ!!」
向かってくるザビー様の後ろで倒れている長政。
駆け寄りたくても駆け寄れず、名無しは心の中で謝ったあと、再び走り出した
(…長政様…なに、してるの…?)
(い…市、か…)
(あの河童・・・?長政様をこんな風に、した…の…)
090514