ケセランパサラン | ナノ
少し呆然と、嵐が去ったのを見送って元就と半兵衛は抜けかけていた意識を戻した。



「…なんぞ、アレは」
「わからないけれど…警察にでも連絡しておくかい?」

携帯を取り出せば再び、今度は複数の足音が聴こえた
見れば元親と愉快な仲間達。


「おう、こんなとこでなにしてんだ…っと、こっちに名無しと変なの来なかったか…あー…」
「名無しと変なのなら走り去って行ったけど……なんだい?」

ようっと笑いかけてきた後ハッとして今度は視線を泳がす元親に、首を傾げる半兵衛と顔をしかめる元就


「いやぁ、もしかして邪魔したかなと「焼け焦げよ!!」まぶっ!?」


頬を染めながら話す元親になにかを察したのか元就がどこからともなく取り出した手鏡で攻撃した。

…もちろん太陽の反射で。
昼の太陽ならまだしも、暮れかけの夕日で目が潰せるほどの攻撃が出来るとは流石日輪の申し子と言うべきであろうか・・


「「アニキー!?」」
「…ふん、その腐った頭をどうにかせよ。我にそのような趣味は無いと何度言えばわかるこの変態が」



倒れて動かなくなった元親に駆け寄る舎弟達。

仇を打とうと立ち上がる者もいたが、元就の氷点下の蔑んだ眼差しにあえなく失敗に終わったのであった


((最恐はこの人かも知れねぇ!!))












「あ、もしもし…っとその声は蘭丸かい?」

元就以外の全員が押し黙ったその場ではタイミングを計ったかのように半兵衛の話し声が響いた。
電話口から漏れてくるのは少し幼い子供の声。






『なんでお前がねぇちゃんの携帯にかけてくるんだよ!』

ぎゃーすか色々喚くのを遮り、名無しを見たと伝えれば、少し黙ってから説明をしてくれた。

協力者はいたほうがいいと思ったのか、とても不本意な声で








(名無しは島津さんの居酒屋に向かっているらしいよ)
(貴様…、いつまで寝ているっ!バイクで先に追いかけよ!!)
(今バイク修理ちゅ(使えぬ駒はいらぬわっ!!)ぎゃーっ)
(アニキーッ!!)

090513




     


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