はぁ…、はぁ…、
いつまで追いかけてくるのよっ!?
数名の信者と"ザビー様"
家を知られちゃマズいと思い、細い道や入り組んだ道。はたまたくねくねした道を走り続けるが一向に撒ける気がしない
それにそろそろ体力も限か「愛ユエニー!!」私は無意識のうちにスピードを速めた
と、まぁ、こんなことを続けていても埒があかない。
「蘭丸、そこの角曲がったら携帯渡すからお父さんに連絡して。いつきちゃんも降ろすから、足痛いだろうけどちょっと我慢してね?」
一方的に伝えた私に二人から抗議やら反対の声があがったが気にしちゃいられない
(きっと二人のことは氏政おじいちゃんがなんとかしてくれるはず…)
いざ角を曲がり、少し走ったところで二人を生け垣へと押し込んだ
まだ奴の姿は見えない
「ねぇちゃんダメだ!」
「名無しっ!」
「ほぅ?息をあげてどうかしたのかのぅ?」
顔を上げれば少し目を丸くしたおじいちゃん
顎に手を当ててひげを撫でている
「「じいちゃんねぇちゃん止めて!!」」
「むぅ?」
話している間に足音がだんだん聞こえてくる
「おじいちゃん、二人をよろしくお願いします!蘭、お父さんには島津のおっちゃんの居酒屋に向かってるって伝えて!」
はいっ、と携帯を握らせ別れを告げたあと、姿が見えないように2人を更にぐっと押し込み再び走り出した
「アレー?アナータヒトーリデースカー?」
他の二匹はどうしたと聞いてくるザビー様に無言でいれば「ニホンノヒトミーンナシランプリ。愛ガ足リナイヨー」と大声で泣いているように叫ばれるが、立ち止まってなんかいない。
走っているのだ"私達"は
(そういえば私、持久力ないんだった…)
なにもないところでずっこけそうになるのを必死で堪えながらがむしゃらに足を動かす
(あの公園を一周して抜ければなんとかなるはずっ!)
「オウジョウギワガワルイデスヨー!!」
(む、あれは…?)
(ぬぅあにぃ?名無しが怪しいやつに追いかけられているだとぅ…?)
090511
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