「猿もなかなかやるじゃねぇか」
「破廉恥っ!」
「だから違うってもー…」
「おっ!うっまそー♪」
リビングでくつろぎながらニタニタ笑う政宗と、さっきから破廉恥を連呼している幸村に佐助が軽く頭を押さえればキッチンからは慶次の声。
「ちょ、風来坊は一体なにしてんのよ!?」
「飯か!?」
「ぎゃっ…」
キッチンへ足を向ければ食べ物が連想される言葉で反応した幸村に佐助は突き飛ばされて踏んづけられた
あれ、俺様病人じゃなかったっけ…
キッチンからは鍋を開ける音。
「おっ!これリゾット?」
「ちが…、それお粥「ちょうど腹減ってたんだよねぇ!食べていい!?」え、」
「某も腹ペコでござるっ!」
好き勝手する2人。
やっとこさ立ち上がってヨロヨロとキッチンにたどり着いた佐助のHPはもう瀕死寸前だ
「あんたら何しにきたのよ…」
「…見舞い…だったはずなんだけどな…」
俺様に恨みでもあるの…とヨレヨレな佐助に返事をしたのは、後ろからひょっこり顔を出した政宗だった
政宗は状況をみて眉間にシワをよせて溜め息を吐く
―パリーン
「「あ、」」
「む…」
「む…じゃないでしょ!ちょ、旦那っ!危ないから触んないで!!」
皿を一枚落とした幸村に注意すればぐらりと目眩が起きる
「政宗…」
「Ah?お前が名前呼ぶなんて珍し「後は頼んだ…」お、おい、猿!!」
佐助はそのままバタリと倒れた
体調が悪化したのは言うまでもない
「ちょ、佐助!大丈夫!?」
「佐助ぇ!倒れるなど精進が足らんっ!気合いだ!!」
慶次の言葉はわかるが、幸村の言葉は病人に対してはあんまりだ
「テメェら…」
政宗のドスの利いた声に駆け寄ってきた慶次がビクッとする
幸村は悪びれもなくキョトンとしているだけだ
「テメェら…向こうで大人しくしてろっ!!」
「しかし某は腹が「病人の飯をたかるなっ!死活問題だ!テメェは一回死んで性格治してこいっこの大馬鹿野郎っ!」」
右目譲りの睨みを利かせ「Get out!!!!」っと、リビングを指差す政宗
2人は怒られた犬のように縮こまって退散した
いや、幸村は納得のいかない顔をしながらも渋々だ
(…ったく、なんで俺が野郎の世話を…)
090423