ケセランパサラン | ナノ
「Ah?猿が風邪だぁ?」
「うむ、」

剣道部の稽古の合間、そう言えば真田の保護者が見あたらねぇなと訊ねれば"佐助は風邪だ"と帰ってきた


「へぇ!佐助でも風邪引くんだね!しっかりしてそうなのに!」

話に入ってきたのは手合わせを終えたらしい慶次。
いつもふらふらしていてまともに来ないが今日は珍しく顔を出していた。

「Ha…日頃の疲れが溜まってたんだろ。誰かさんのせいで、な」

政宗がチラッと幸村を見て溜め息をつけば、「そうかもね」と慶次が軽く笑った



幸村は菓子パンを口に詰めるだけ詰め、もぐもぐしながら頭の上に?マークを浮かべているだけだった。














―――

「じゃあ、お鍋にお粥の残りあるから、お腹空いたら食べてね?」
「うん」
「あ、あと、軽くおかず作って冷蔵庫に入れてあるから食べれそうだったら食べなね?」


うんうん、と頷く佐助に他なんかあったっけ…と考える名無し。
「バイト遅刻しちゃうよ?」と急かしてみれば、「じゃあ、まだなんかあったらメール入れとくし、欲しいものとかあったらメールしてね?」とドアノブを握った。




―ピンポーン



それと同時に鳴った玄関のチャイムに佐助は「げっ…」っと声を漏らす。




「おい、幸村。見舞いにきたはいいが…寝てたりしねぇのか?」
「そうだね、返事もないし…悪化しちゃったらアレだからここはまた別の日にでも…」
「む?佐助ゆえ気にすることもなかろう。それに、倒れていたりしたらどうするでござるか!某、心配になってきたでござる!!うぉぉおさすけぇ!!」
「ちょ、ゆき?!」
「止めろ真田!近所迷惑だ!!」


ドア越しに聞こえるのは政宗、慶次、幸村の声。

「ここ、オートロックじゃなかったの…?」
「旦那、番号知ってるんだよね…はは…」

小声で聞けば力無い笑みが返ってきた





「いや、待て幸村!鍵が開いてるわけねぇだろ!」
「そうだよ!チェーンも掛かってるだろうし!」
「いや、なにか大丈夫な気がするでござる!」


もちろん、名無しが帰るためにドアの鍵もチェーンも開けてある。

幸村が自信満々にドアを開く


開くドアを見ながら名無しは「下がった熱が上がらないことを祈るよ」と同情の笑みを佐助に向けた。








(ホントに開いたよ…って、名無しちゃん?)
(Ham…?)
(佐助ぇ!家に女子を連れ込むなど破廉恥極まりないでござるぅぅう!)

((…なんか激しく誤解されてる…))

090422
土曜で学校は休みだったけど、部活で来てた三人。




     


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