「ふわぁーーっ」
ん゛ーっと伸びをして目を開けば、いつもと違う景色。
「あ、起きた?」
その声に前を向けばソファに座った佐助。
「…あれ、私家に帰らなかったっけ…」
「いやいや、寝ぼけてるでしょ、名無しちゃんそのまま寝ちゃったんだよ」
「…夢…」
苦笑いする佐助に少し青ざめながら苦笑いを返した
「ってか、ごめんベッド行けなっかたでしょ」
「ま、後でまた横になるし」
「そか・・。どうする?なんか作ろうか?」
「いや、ありがたいけど…帰ったほうがいいんじゃない?」
心配してくる佐助に「今更だし、今帰ったらそれこそ朝帰りみたいじゃん。やだやだ父さんに殺される」と笑えば軽く苦笑いされた
「じゃあ、昨日のお粥食べたいな」
「…好きねー…んぃ了解。」
それじゃあ…と注文すれば少し呆れられた
キッチンへ消えていく名無しを見送っていれば、ハタッと止まって振り返った
「・・少しベットで寝てきたら?」
「んや、ここで横になってるよ」
「体制キツくない?」
「平気平気」
大丈夫?という顔をする名無しにひらひらと手を振れば「そう?」っと残して姿を消した
(あー…ヤバい、かなぁ)
女の子に看病されるこれは萌える。
今まで散々冷たい態度だった名無しだから尚更なのか・・
見送った後、佐助はズルズルと顔を腕で隠しながらソファに倒れこんだ
―――
「あ、起きちゃった?」
おでこに違和感を覚え目を開ければ、視界いっぱいに名無しの顔があったのでびっくりして目を丸くした
「冷えピタ、変えようと思って」
はいっと手渡される冷えピタ
それを受け取りながら…目、開けなきゃよかったかなぁ…なんて少し後悔した
再び台所に消えた名無し。ペリペリとビニールをはがして自分でおでこに貼れば丁度お粥が到着した。
「ほい。特製お粥でござーい」
盛った器を置いて名無しはぷっと吹き出す。
「ん?なんかついてる?」
そういや鏡見てないしな…と首を傾げれば、名無しは違う違うと首を振った
(冷えピタずれてる。……よし、これでOK)
((これはこれで美味しいかも…))
090421