「ん…」
パチッと目を開けた佐助。
体の違和感と景色からしてソファで寝てしまったのだと気付く
時計を見れば23時を回っていた。
(そういや名無しちゃん…流石に帰ったよな)
明日起きたらお礼のメールでも入れとこうとぼんやり考えながら、ベットに移動するために立ち上がろうとすれば足の上に重量感。
「え…名無しちゃん?」
掛けてある毛布越しに名無しが伏せて寝ていた
(え、ちょ、マジ?)
どうしよう、と身動きがとれないながらもテンパる佐助。
よし、とりあえず起こそう
「名無しちゃん、」
呼んでみるが寝息しか聞こえない。
「名無しちゃーん」
次に肩を軽く叩いてみる。
…少し身じろぎするが起きそうもない
「名無しちゃんっ!」
「んっ…」
ゆさゆさ揺らせば少し反応した。
パッと目を輝かせた佐助だが。起きたわけではないようだ。
(この子、帰んなくて大丈夫なのかな…)
まぁ心配しても仕方ないか、とため息を吐いて目を閉じた
(俺様知らないからねー…?)
―――
「名無しはまだ帰ってこんのか?」
「あら、上総介様…まだ起きていらっしゃったのですか?」
濃がお風呂から上がれば、リビングのソファで腕を組み、テーブルの上に置かれた携帯と睨めっこしている信長がいた
「うむ……別に心配はしておらぬが、年頃の娘がこんな時間になっても帰ってこんとはけしからんと思うてなぁ…なんだその顔は」
「いえ…ふふ、名無しなら明日にならないと帰ってきませんよ」
「なにぃ?」
照れ隠しに目つきが悪くなる信長に、心配なんですね、と笑いながら濃は続けた
「きっといらぬ世話までかいて疲れて眠ってしまってるのでしょ。さ、私達も寝ましょうね?」
渋々頷く信長。
名無しの世話焼きそのままおやすみなさいはこれが初めてではないのだ
「…その相手とやらは女だろうな…」
「…えぇ」
「なら良いのだ。」
そういえば聞いてなかったわね…
ふふっとごまかし笑いをして濃はその場をやり過ごした
(ん…ただいまぁ〜むにゃむにゃ)
090420