ケセランパサラン | ナノ
カリカリカリカリ…










教室…学校中にペンを走らせる音が響く








「…そこまで!」


監督の先生の合図の声がすれば、一斉にペンを置く音と緊張の糸の解かれたようなため息にザワザワと響き始める声







「半ちゃーん」
「なんだい?」
「問3の答えってなにー?」
「2、かな?」

パタパタと寄ってきた名無しに半兵衛が少し首を傾けながら答えた

「…半ちゃんが"かな?"なんて珍しいね?」
「そうかい?まぁ覚えてないだけなんだけどね」
「あ、なるほど」

そのままぐだぐだ話していれば遠くで「担任来るまで待ってろよお前らー」とか聞こえた気がする


「それにしても珍しいね、名無しが答えを聞いてくるなんて」
「んー?なんかあの問題だけ何回やっても合わなくてもやもやしてさー」

聞いてきた半兵衛にむぅっと口を尖らせた


「あれは崩してから公式当てはめるんだよ」
「…あ」

やっちまったんだぜ的な顔をすれば半兵衛にクスッと笑われる


「あ、そうだ」
「ん?」
「帰る時、少し待ってて貰ってもいいかなぁ?」
「いいよ、じゃあ生徒会室にいるから」
「うん、ありがとー!」


お礼と同時に担任が入ってきたのでそのまま席に着いた








(む?貴様がテスト後に生徒会室にいるなど珍しいな)
(おや、元就じゃないか)
(ふん、名無しはどうした?テスト後はいつも一緒に帰っているであろう?)
(用事があるらしくてね、待っているんだよ)

090413




     


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