「test終わったらどっか行こーぜ!」
「いいねぇ〜」
「ケーキバイキングなどいかがでござろう?!」
「テメーは少し食いもんから頭を離せっ」
幸村の頭を政宗が叩けば、ふふ、っと笑う市にあははと笑う私。かすがはうんざりした顔をしている
「じゃあまた月曜日!」
「おぅ」
「じゃーねー」
「またな」
少し落ちついた頃、早めの家路につく
(まさかあのメンバーと仲良くなるなんてなぁ…)
少し赤みの出てきた空を仰ぎながら、ちょっと前の自分自身を思いだす
「半ば諦めだったか…」
マスターの言葉も今の私になるのに大きな後押しだったのかもしれない
(まぁ、マスターの場合は自分が面白ければいいだけなんだろうけど)
ふふ、っと笑うマスターが思い浮かび、人知れず眉間にシワをよせる
でも、前と今…どっちが楽しい?って聞かれれば…
ふと、影が落ちてきて、数羽のとりが夕焼けに羽ばたいていく
(今のが楽しいの、かな…)
なんでだっけ、私が平凡に静かに暮らそうと思い始めたのは…
考え始めたのと同じタイミングで5時の音楽が流れ始める
(…なんかこの音楽久しぶりに聴いたなぁ)
「ん?…よぅ、久しぶりじゃねぇか」
「え、あ…」
音楽に聴き入っていて全く気づかなかった。
少し前から歩いてくるのはあのオールバックの左頬に傷のある強面のあの人
少し、微妙な間が空きながらも「こんにちわ」と返せば「なんだ、粋な顔してたと思えば眉間にシワよせて」と笑われた
「み、見てたんですか!?」
「見えちまったんだ。仕方ねぇだろ?」
まさか!と顔を真っ赤にして聞けばYESの返事。
恥ずかしっ!
「ふ、気をつけて帰れよ」
小さく笑って彼は、じゃあな。と片手を上げて去っていく
「あ、そうだ!あの・・・!!」
「ん?」
(お名前教えてください!)
(あぁ、そういえば名乗ってなかったな…片倉だ。お前は?)
(お…織田です!)
090410
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