ケセランパサラン | ナノ

案内された部屋に入れば、そこには山盛りの団子と、その後ろにもぞもぞ動く茶色と赤の…幸村。

襖が開いたのに気付き、ひょっこりと団子の山から顔を覗かせる

「ふぉう!ふぉふひふぁへふぉふぁふ!!」
「…真田…飲み込んでから喋ってくれ。わからん」
「ったくもー…旦那ったら、いつも食べながら喋るなって言ってるでしょ!」


かすががため息を吐くと少し遅れて入ってきた佐助が母親が小さい子に言うかの如く軽く叱る

「む…むぅ、すまぬ…」
「大丈夫、…次、気をつければ…ね?」

しゅんとした幸村に市が微笑めば、幸村は一瞬で顔を真っ赤にして「破廉恥でござるぅぅうう」と走っていってしまった


…ここ、人ん家だよね…?

「耳…痛い」
「Ah?初めてか?あれ」
「耳元で直に叫ばれるのは…」



ほとんど遠くから聴こえてくる程度だったし、…そういえば一回危なかった時があったけど…その時は、

「あぁ、政宗が助けてくれたのか」
「Ah?」


口に出せば政宗が訝しげな顔をする

「ん?学校で幸村の叫びを前に耳、塞いでくれたじゃん?」
「そういや、そんな事もあったな」

私が話せば、政宗も思いだすかのように空を見る

「ありがとね」
「ん。……!」


ニコッと笑えば、政宗の目が一瞬丸くなり、ぷいっとそっぽを向かれてしまった








(竜の旦那ぁ、なに赤面してんの?)
(っ!…してねぇ!)
(…洗面?)

090402




     


back




(45/108)
top


×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -