ケセランパサラン | ナノ
「Oh!よく来たな!」


門を通って玄関にたどり着けば着流し姿の政宗が出迎えてくれた


「え、まだインターホン鳴らしてないのになんでわかったの?」

辿り着くまでに組の人と思われるリーゼントの人たちと挨拶はしたけど…

そのあと、全員が全員「ひっとー!」って叫ぶから謎だった



「Ah?呼ばれたから来たに決まってんじゃねーか」
「ふーん?」

どっちかが着いたってメールでもしたのかな?

「てかさ、みんながみんな叫んでるヒットーって何?」


聞けば「そりゃ俺のことだ」と返ってきた

「へぇ?」
「名無し…ひっとうってね、筆に頭って書くの…」
「まぁ、親分ってことだ」

首を傾げれば市とかすがが説明してくれた


「ほー?…って、政宗が親分!?」

改めて政宗をマジマジと見る


「…んだよ」
「いや、なんてゆうか…お疲れ?」


今の流れで眉間にシワを寄せた政宗に一声かければキョトンとした顔になり、かすがと市は呆れた顔をしてため息を吐いた



え?なんか変なこと言った?




なんかよくわからない沈黙に挙動不審になれば、ひょこっと佐助が現れた


「名無しちゃん、竜の旦那は全然苦労してないから。全部、小十郎さんに丸投げだから」
「なっ!猿!テメェ…俺だって苦労のひとつやふたつ!!」


ギャーギャーと騒ぎ始める2人。
佐助がからかって遊んでるだけに見えるが










「はぁ…こいつらは置いといて、行くか」


かすがが本日二度目のため息を吐いて歩き出したのを人んちなのにいいのかなーなんて思いながらついて行く


…ところどころ、市が襖の前で足を止めて「ふふっ…」と笑っているのは気にしないことにした







旧家ってゆうのかな、すんごい広い

曲がったり上ったり曲がったりを繰り返して、もう道はわからないと言っても過言じゃない








(…絶対迷子になる)
(玄関までの道はしっかり覚えておけよ?)
(なにがあるかわからないからねー)
(…いつでも逃げられるように、ね…)
(今日は小十郎がいねぇから安心だけどな!)

090401




     


back




(44/108)
top


×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -