ケセランパサラン | ナノ
〜♪


生徒会室で引き続き勉強していた私の耳に入ってきたのは、最終下校を告げる5時の音楽だった

「あぁ…もう、こんな時間か」

見れば半ちゃんが時間を確認していた


「名無し、そういえば荷物は?」
「あ、図書室に置きっぱなしだ」

そういえば教科書とノートだけ持って飛び出してきたのを思い出す


「じゃあ取りに行こうか」

半ちゃんが荷物を持って立ち上がれば、ノックの音が聞こえ、返事をする前に扉が開いた。



そこにいたのは元就先輩。と、後ろにくつくつ笑う元親先輩




「?…どうかしたんですか?」
「ふん。貴様の荷物を届けにきてやったのだ。有り難く思え」

ドアを開けたなり先輩に声をかければ歩み寄ってきて、ズイッと鞄を差し出され、「あ、ありがとうございます!」と、少し感動しながら受け取った


「で、元親くんは何か面白いことでもあったのかい?」
「いや、元就がよぉ「言うな戯けが!!」イッテェ!!」

続いて入ってきた元親先輩に半ちゃんが話しかければ笑いながら喋りだす元親先輩の顔面に、元就先輩の裏拳が炸裂していた。













「おーい、お前ら…遅くなる前に帰れよー」
「はーい!」

見回りに来た先生に返事をすれば、「じゃあ帰ろうか」という半ちゃんの促しで、私たちは学校を出た。






「そういえば、さっき笑ってたのってなんだったんですか?」

半ちゃんと元就先輩が話しているのを見計らって小声で尋ねれば、元親先輩もチラッと2人を見てから小声で答えてくれた




「いやー、元就のやつよぉ、自分が渡すの恥ずかしいからって俺に名無しの荷物持って行かせようとしたんだぜ?」

そう言って元親先輩はまた、くつくつと笑い始めた







(貴様等!なにを話しておるか!)
(ヤッベ?!)
(元就先輩は優しいって話しですー!)
(なっ…!!)

090319




     


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