その日1日は、なんだかとても静かで…
私がそう思っただけかもしれないけど、なんか…ギスギスした雰囲気だったと思う
「名無しちゃん」
「…なに?」
4時間目が終わり席を立つ私にすかさず佐助が声を掛けてきた
「お昼食べに行くんでしょ?途中まで一緒に行っていい?」
「………ん。」
気遣ってくれてるのかなとか、一体どこまで話が回ってるんだろうとか、色々思うことはあったけど、とりあえずNOと言っても付いてくるんだろうなと思ったので私は仕方なく了承した
「もしもしー?」
ドアを出ると電話がかかってきたらしい佐助が携帯を耳に当てて話し始める
…すごいなぁ、睨んでくるけど一緒にいるからかなぁ…なにも仕掛けてこない!!
なんてゆうか例えるなら10個の障害が1個だけになりました的な
やっぱり色んな意味でこいつの影響力は凄いんだなーと思う。
他の真田さんとかも、ね
けれど、やっぱり後の危険を顧みずにやる人はやるらしく、階段への曲がり角…すっかり油断していた私は出された足に気づかず、ずっこけそうになった
「ちょっと名無しちゃん?!」
「へ…わっ!!」
顔から転ぶのをを覚悟してギュッと目を瞑れば、グイッと腕を引っ張られ、床との顔面衝突はなんとか免れた
掴まれた腕が痛くないとこがまた手慣れているとゆうかなんとゆうか…
「もう…あんな初歩的なのに引っかからないでよね…」
「ご…ごめんなさい…」
ふぅ…と息を吐いた後「あぁ、こっちの話」と電話に戻った
ちなみに犯人は逃げていきました
目の前は階段。
なんとも言えないダンスのキメポーズのような格好からなんとか体制を立て直した私は内心、用事ないならそろそろ行きたいんだけどなぁ…なんて思っていた。
行けない理由は、掴んだ腕を放してくれそうにないから。
どうしたもんか、と考えていれば階段を電話口と連動するような声が登ってきた。
現れたのは市とかすがと…伊達くん。
…電話の相手は伊達くんか
(屋上で食べることになった)
(え、なんで?)
(名無しちゃんの事が落ち着くまでしばらくねー)
090310
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